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海外コールセンターへの顧客満足度

最近、読んだ論文より。


近年コールセンターを海外に設置する動きが盛んです。とはいえ、顧客はよもや「外国人が電話応対」するなんて想定していません。

一部の顧客は、電話対応が「日本人らしくない」ことを理由に相手を蔑むエスノセントリズム(英: ethnocentrism)を示します。

これは何も日本人に限った話ではなく、オフショアリングが発達した米国でも同様です。


海外コールセンターにつながった顧客は、当然ながら電話口の不自然な日本語に違和感を覚えます。しかしながら、問題解決が図られた場合には、「日本語の未熟さ」によって顧客満足度が低下することはありません。


海外コールセンターに顧客が最も不満を抱くのは、オペレーターの力量不足を感じたときです。とりわけ、杓子定規のマニュアル対応や長過ぎる保留時間は、顧客満足度を大きく低下させます。


興味深いことに、問い合わせ内容の種類によっては、オペレーターの対応が同じであっても顧客満足度は変わります。

例えば、顧客が深刻な問題を抱えている場合、少しくらいオペレーターの対応がまずかったとしても、最終的に問題が解決すれば顧客はそれなりに満足します。下手な日本語や冷たい態度を「帳消し」にするといえば大袈裟かもしれませんが、オペレーターの専門性や問題解決力はそれほど重要だということです。

問い合わせ内容が顧客の専門領域では、最終的に問題解決したかどうかよりも「オペレーターがどう対応したか」がより満足度に影響することがわかりました。つまり、顧客の専門領域に関する問い合わせ時は、結果よりもプロセスが重視されます。たとえ問題が解決されたとしても、プロセスが悪ければ顧客満足度はあまり良くないだろう、という考察です。


参考:伊藤龍史(2016)、オフショアリングされたコールサービスセンターと日本人顧客の心情:探索的研究、新潟大学


■ 問いかけ

<問1>エスノセントリズム(英: ethnocentrism)とは、自民族中心主義や自文化中心主義と訳される社会学の専門用語です。オフショア開発に携わる日本人エンジニアは、ときどきエスノセントリズム(英: ethnocentrism)の態度を示します。この主張に同意しますか?(Y/N)


<問2>ある会社で経理用パソコンの調子が悪くなりました。そこで情報システム部門の伊集さん(男性・社内SE)がパソコンメーカーのサポート窓口に電話で問い合わせました。つながった先は、明らかに外国人でした。

伊集さんは、外国人オペレーターにも通じる日本語を話さなければならないと思い、始めからかなり気を使いました。こちらの話しが正しく伝わっているかどうか心配だったため、何度も確認しながら一つ一つ丁寧に時間をかけて説明しました。

その結果、伊集さんはオペレーターから有益な情報を引き出すことに成功し、見事パソコンの調子は元に戻りました。サポート対応終了後、伊集さんは「もし(専門家の自分ではなく)コンピュータの素人が問い合わせしていたら、この問題は解決しなかっただろう」とメーカー対応を振り返りました。

伊集さんは、メーカ対応にどれくらい満足したでしょうか? 紹介した伊藤(2016)の論文を参考にして、顧客満足度を予想しなさい。


<問3>顧客の専門性(高/低)と問題解決(Yes/No)とオペレーター対応(良い/悪い)で「2×2×2」の3次元マトリクスを作成しなさい。そして、8個のマスにそれぞれ顧客満足度を書き込みなさい。


*Hints はオフショア大學公式メールマガジンをご覧ください。

*2017.7.20開催オフショア開発実践セミナー(グローバル業務編)でも解説します。

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昼食を奢ってもらったので今度は私の番

オフショア大學への相談より。

私は中国オフショア開発を発注する側の中堅メンバーです(日本人男性・36歳)。

先日、中国オフショア先からたまたま日本出張する現地リーダー(男性・39歳)と一緒に会社近くで昼食をとりました。普段から彼とは仲よくさせてもらっています。

その際、現地リーダーに昼食をおごってもらいました。次に彼と昼食をご一緒する機会があれば、今度は私がお返しに奢ってあげようと思います。

例えば、来月、私は中国出張する予定なので、ちょうど良いタイミングではないかと思います。

ですが、きっと彼は「ここは中国ですから」といって、私に支払いをさせないような気がします。考えてみれば、これまでずっと彼には奢ってもらう一方でした。次の機会こそ、私が彼に奢る番だと思うのですが、いかがでしょうか。彼が気を悪くしないかどうかが心配です。


■ 問いかけ

<問1>日本人の相談者は、多少強引であったとしても次の機会は奢り返すべきでしょうか?(Y/N)

<問2>問1の答えの根拠を述べなさい。

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海外パートナーに預けた金が戻ってこない

オフショア大學への相談より。

私は東京都内の小さなソフトハウスで営業をしています。最近は客先常駐から請負開発へのシフトに力を注いでいます。

数年前に当社でも東南アジアのパートナーを使って、オフショア開発に挑戦しました。当社にとって初めてのオフショア開発プロジェクトでしたが、意外にも無難に終えることができました。

その後も細々とオフショアチームを維持してきました。ところが最近、お客様の都合でラボを解散することになりました。突然のラボ解散でしたが、2年以上の活用実績が残せたので、当社としてはこれまでの結果に満足しています。

ところが半年後、突然、お金の問題が発覚しました。

当社は海外ラボの運営支援という名目で、海外パートナーに数百万円を貸し付けていました。現地での技術者の採用・教育・日本出張費用などに何かと金がかかるので、資金力に乏しい海外パートナーを財政支援していたのです。

ところが、貸付金の返却期日を過ぎても海外パートナーからの着金が確認できません。

小規模会社にとって数百万円は大金ですが、毎月100万円以上のラボ人件費の支払いが発生するため、貸し倒れリスクは小さいと見積もっていました。万一、海外パートナー側で何か怪しい動きがあれば、即座に毎月のラボ人件費支払をストップすればよい、と考えていたからです。

ところが、顧客都合で突然ラボが解散されたことにより、貸し倒れリスクが顕在化してしまいました。

当社の管理部門責任者が慌てて海外パートナー代表者の携帯電話に連絡したところ、驚きのコメントが戻ってきました。

「先日、会社を売却した。個人保有株もすべて処分した。よって貸付金については売却先の新会社と話して欲しい」


私たちは唖然としました。

当社がこれまで2年以上、この海外ラボを維持してきたのは、他ならぬ(元)代表者個人との信頼関係に基づいていたからです。

顧客都合で突然ラボ解散となったのは不幸な出来事ですが、2年以上の継続発注を通じて信頼関係を築き上げたのに「会社を手放したからさようなら」では到底納得できません。

当社社長は「裁判だ!」と息巻いていますが、現実には相手国の土俵で争うのは極めて困難です。

海外パートナーの元代表者は「もはや私はこの件については無関係だが、元代表としては遺憾である。何とか金が戻ってくるよう引き続き努力したい」と電話口で語ったそうです。

さて、この先いったいどうすればいいのでしょうか。

■ 問いかけ

<問1>この後、相談者がとるべき対応を検討します。可能性のある選択肢をすべて洗い出しなさい。

<問2>相談者の会社が、相手国で裁判を起こして争う決心をしました。想定されるリスクを挙げなさい。

<問3>相談者の会社にとって「数百万円」は、すぐに倒産するような金額ではないものの、かなり痛手です。なぜこのような事態を招いたのか、時系列順に原因を探りなさい。

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欧米方式と比較されて苦戦

オフショア大學への相談より。

当社は、工場の生産管理システム導入を得意とするITサービスプロバイダーです。

随分と遅れましたが、当社のお客様もようやく海外の生産拠点を本格稼働させるようになりました。

そこで、お客様の海外生産拠点への情報システム導入と運用サポートが当社の新しい事業課題となっています。お客様の海外拠点はいくつかありますが、すべて東南アジア圏に集中しています。

先日、お客様の本社部長と一緒にアジア新興国のある工場に乗り込み、情報システムの刷新計画について検討しました。

本社部長からトップダウン的にシステム刷新の全体方針が打ち出されました。一方で、「郷に入れば郷に従え」の精神に則り、実務はすべて現地採用の現地人幹部に任せることにしました。

担当する現地幹部は、欧米企業での実務経験が豊富で英語も堪能です。何事にも強い信念を持っていて、本社部長にも自分の意見をしっかり主張するタイプの男性です。


現地幹部曰く「日本本社とは無関係のローカルなシステム要件については、世界最先端の評判の良いパッケージ製品を使って欧米的なやり方で効率よく導入したい」

物分りのよい本社部長は特に反論する様子はありません。なぜなら、現地幹部は全体方針には素直に従う姿勢を示しており、むしろ、パッケージ導入によってコスト削減できるはずだ!と主張しているからです。


そこで困ったのが当社の側です。

今までは、自社開発した「生産管理システム」をウリに日本では提案営業していました。ところがここだけの話、実態はパッケージと呼べるほど手離れのいい製品ではありません。

お客様のご要望に合わせてガッチリ作り込むため、品質には絶対の自信があります。とはいえ、客観的に「世界最先端で効率よく導入するタイプ」の製品でないことは明白です。


■ 問いかけ

<問1>相談者の会社が持つ技術ノウハウだけでは、現地幹部の要望には到底応えられないと仮定します。この後、相談者がとるべき対応を検討します。可能性のある選択肢をすべて洗い出しなさい。


<問2>相談者の会社が欧米企業の既存パッケージを担いでサービス提供することになったとします。想定されるリスクを挙げなさい。


<問3>相談者の会社では、現地幹部の要望には応じられないと決断しました。では、その代償として、お客様の海外工場に対してどのような便益を提供しますか。トレードオフやギブ・アンド・テイクを意識して考えなさい。

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