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ソフトウェア企業のM&Aを検討しています

オフショア大學への相談より。

私は外資系IT企業の日本法人で人事と開発管理部門のマネージャーを兼務しています。日本市場での競争力を高めるために、優良クライアントを持つ東京のソフトハウスを買収する話が上層部で検討されています。

M&A検討に際して、財務や法務のリスクは別途専門家を雇って診断することになっています。そこで私は、開発現場を熟知する立場としてM&A検討に参画するよう命じられました。

でも、私を含めて当社にはM&Aに関するノウハウがほとんどありません。何でもいいので、この段階でよいご助言があれば教えていただけますか。

■ 問いかけ

<問1>一般的なM&Aのプロセスを箇条書きで示しなさい。

<問2>ソフトウェア企業同士のM&A初期交渉において、相手企業を分析する観点を挙げなさい。

<問3>デュー・デリジェンスとは何ですか?

<問4>PMIとは何ですか?

<問5>M&A初心者の相談者に助言しなさい。できれば情報量を絞り、できるだけ平易な言葉を選ぶこと。

<問6>オフショア開発に取り組むソフトウェア企業同士のM&Aでありがちな挑戦課題を1つ以上、挙げなさい。

*Hints: オフショア大學公式メールマガジンに詳細な補足説明が追記されています。

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直訳は葛藤をひき起こす

グローバルなビジネスでは、日本語をそのまま外国語(英語)に翻訳すると不自然になることがあります。代表的な5つの例を紹介します。

1.われわれ日本人は
2.受け身の文体
3.はい、しかしですね
4.・・・すべきである
5.・・・と思います


例えば「日本の品質基準だと、重大な問題が発生したら後で根本原因析がなされることが当然だと考えられる」は、上記1と2の合せ技です。

このような言い回しは、相手に不誠実な印象を与えてしまう恐れがあります。なぜなら主語が不明瞭で主体性が感じられないからです。

文脈を無視してこの発言だけを切り取ると、命令なのか、依頼なのか、それとも、前向きな助言なのかが判別できません。聞き手が空気の読めない外国人だと、「また日本人の責任逃れがはじまった」と舌打ちされてしまうこともしばしばです。


■ 問いかけ

<問1>上記3「はい、しかしですね」は、コミュニケーションの教科書で推奨される定番手法の1つです。英語に直訳すると「Yes, but...」、最近は「イエス、バット」とカタカナ表記されることも珍しくない使い勝手のいい定形表現です。海外ビジネスで、日本人が「はい、しかしですね」を発するリスクを分析しなさい。

<問2>日本人が「・・・すべきである」を多用しがちな理由を分析しなさい。

<問3>日本人が「・・・と思います」を多用するリスクを分析しなさい。


参考情報:

岩下貢(1994)、日米ビジネスコミュニケーション、pp.83-91, JETRO
「取りこぼし=負け」と直訳
やや違和感のある中国語からの直訳表現
オノマトペを外国語訳する一工夫

*Hints: オフショア大學公式メールマガジンに詳細な補足説明が追記されています。

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土曜出勤で意思決定がなされる

オフショア大學への相談より。

東南アジアの大都市に拠点を置くある日系ITベンダーでは、仕事が忙しくなると日本人マネージャーは土曜出勤します。

ウイークデーとは違い、落ち着いてひとつひとつ懸案事項を処理できるのが土曜出勤のメリットです。そのうち、いつの間にか他の日本人スタッフも土曜出勤するようになりました。

すると、そこでは日本人による日本語でのインフォーマルな会話がはじまり、しまいには、組織の意思決定までもがなされるようになりました。しばらく経ってから、現地マネージャー層もこのような事態に気づきました。

これはどうみても許しがたい、不公平な行為です。「なぜ我々も同じマネージャーなのに意思決定に参加できないのか?」と現地マネージャーは、日本社長の担当役員に直訴しました。

■ 問いかけ

<問1>この後の展開を予想しなさい。

なお、同じような事例が下記参考図書にも載っています。

参考情報:
岩下貢(1994)、日米ビジネスコミュニケーション、pp.11-14, JETRO
強い達成意欲を持つ日本人と中国人の行動様式の違い
社内の公式行事には「協力会社さんは参加不可」

*Hints: オフショア大學公式メールマガジンには詳細な補足説明があります。

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