直訳は葛藤をひき起こす
グローバルなビジネスでは、日本語をそのまま外国語(英語)に翻訳すると不自然になることがあります。代表的な5つの例を紹介します。
1.われわれ日本人は
2.受け身の文体
3.はい、しかしですね
4.・・・すべきである
5.・・・と思います
例えば「日本の品質基準だと、重大な問題が発生したら後で根本原因析がなされることが当然だと考えられる」は、上記1と2の合せ技です。
このような言い回しは、相手に不誠実な印象を与えてしまう恐れがあります。なぜなら主語が不明瞭で主体性が感じられないからです。
文脈を無視してこの発言だけを切り取ると、命令なのか、依頼なのか、それとも、前向きな助言なのかが判別できません。聞き手が空気の読めない外国人だと、「また日本人の責任逃れがはじまった」と舌打ちされてしまうこともしばしばです。
■ 問いかけ
<問1>上記3「はい、しかしですね」は、コミュニケーションの教科書で推奨される定番手法の1つです。英語に直訳すると「Yes, but...」、最近は「イエス、バット」とカタカナ表記されることも珍しくない使い勝手のいい定形表現です。海外ビジネスで、日本人が「はい、しかしですね」を発するリスクを分析しなさい。
<問2>日本人が「・・・すべきである」を多用しがちな理由を分析しなさい。
<問3>日本人が「・・・と思います」を多用するリスクを分析しなさい。
参考情報:
・岩下貢(1994)、日米ビジネスコミュニケーション、pp.83-91, JETRO
・「取りこぼし=負け」と直訳
・やや違和感のある中国語からの直訳表現
・オノマトペを外国語訳する一工夫
*Hints: オフショア大學公式メールマガジンに詳細な補足説明が追記されています。
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