IT人材が30万人以上不足、どう対策する?
来月(10/5)、マレーシアのペナン島で開催される国際カンファレンスで講演することになりました。
全体テーマは "Trends & Changes Towards Industry 4.0"です。私の講演では、軽く日本のオフショア開発の最新動向を紹介します。そのため、インターネットで公開されている情報を調べ直しています。
前回に引き続き、今日もそれらの一部を紹介します。
調査会社ガートナーは、2020年末までに日本のIT人材が30万人以上も不足するだろうと指摘しました。さらに、2020年までに
・日本IT部門の10%が、人の代わりにAIやロボットを採用する
・オフショアリング実施部門の50%が人材確保を主目的とする
詳細な調査結果は有料契約するクライアントのみが閲覧できます。社内ポータルサイトから閲覧できる企業も少なくないので、興味があれば探してみてください。
[2] グローバルアウトソーシング市場に関する調査結果 2016(矢野経済研究所)
やや古い調査ですが、いくつかある信頼できる日本向けオフショアサービス市場規模予測の中で、これが最新データだと思いますです。
・2014年度から2019年度まで年平均 3.6% 成長
・2014年 $1,409 million → 1,550億円
・2017年 $1,561 million → 1,720億円 予測
・2019年 $1,678 million → 1,850億円 予測
※1ドル=110円で換算
[3] ITアウトソーシングサービス市場調査 2016年(矢野経済研究所)
・2019年度の市場規模 3兆9,985億円 予測
・2014年度から2019年度まで年平均 0.8% 成長
同じ調査機関による[2]の結果と併せて理解すると、オフショアアウトソーシング市場規模は市場全体のわずか 5% と見込まれます。ただし、これは金額ベースでの比較です。工数ベースの考察ではないのでご注意ください。
[4] 国内BPOサービス市場予測、2017年~2021年(IDC)
信頼できるマクロ統計として知られる調査会社によると、国内BPOサービス市場は依然として好調に推移すると予測されています。一方、現場の本音は「国内BPOは逆風」が定説なので、こうした数値をどう読み取るのかが分析者の腕の見せ所です。
・2016年 市場規模 前年比4.9%増 7,017億円
・2016年~2021年 年間平均成長率 3.7%
・2021年 市場規模 8,427億円
■ 問いかけ
<問1>ガートナーによると、2020年末までに日本のIT人材が30万人以上も不足します。日本のIT企業では、人材不足を改善するためにどのような施策をとると思われますか? IT人材白書2017を参照しながら予想しなさい。
<問2>あなたは、日本市場に強い関心を寄せるマレーシアIT企業の幹部から「日本の主なオフショア委託先(国)はどこか?」と質問されました。ただし、十分に調べる時間がないと仮定します。あなたなら、どう即答しますか?
<問3>あなたは、日本市場に強い関心を寄せるマレーシアIT企業の幹部から「どうやれば、マレーシアIT企業が日本向けオフショア開発事業を成功させられますか?」と質問されました。あなたなら、どう即答しますか?
*Hints: オフショア大學公式メールマガジンに詳細な補足説明が追記されています。
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