« September 2017 | Main

外国語学習の発達段階理論(持論)

オフショア大學公認サポーターからの話より。

外国語をゼロから学んで仕事で使えるようになるまでには、4つの異なる段階を経ます。「仕事で使えるか」どうかに着目しているので、試験で測る語学力とは異なることがあります。

以下、外国人ビジネスパーソンが日本語を学ぶ過程に沿って解説します。

まずは学校外国語
初心者を前提とした、限定された日本語です。

2つ目は職場外国語
日系企業の海外拠点で使われる日本語です。互いの専門分野であれば、日本人との会話がなんとか成立するレベルの日本語です。

3つ目は生活外国語
日本で不自由なく生活するための日本語です。いわゆる日常会話に苦労しないレベルの日本語です。

最後は業務外国語
日本的商習慣が支配する組織で用いられる日本語です。例えば「あれは? → 進んでいます」「例の件は? → 少し遅れていますが、なんとかします」がすんなり成立するレベルの日本語です。


■ 問いかけ

<問1>「学校外国語」は自国の学習環境でも身につけられると思いますか?(Y/N)

<問2>「職場外国語」は自国の学習環境でも身につけられると思いますか?(Y/N)

<問3>「生活外国語」は自国の学習環境でも身につけられると思いますか?(Y/N)

<問4>「業務外国語」は自国の学習環境でも身につけられると思いますか?(Y/N)

<問5>「職場外国語」と「生活外国語」とでは、どちらを先に習得するのが一般的でしょうか?

<問6>外国語学習の発達段階理論が生み出された理由を述べなさい。あるいは、外国語学習の発達段階理論が効果的に用いられる業務場面を想像しなさい。

*Hints: オフショア大學公式メールマガジンに詳細な補足説明が追記されています。

| | Comments (0)

中国カントリーリスクの再確認

「中国リスク」という用語は、使う人によって異なる意味を持ちます。

ある人は、中国リスクを「中国のカントリーリスク」という意味で用います。

狭義のカントリーリスクは、財務・資金面に関するリスクに限定されます。極論するなら、国家が債務不履行(デフォルト)に陥るリスクです。よって、狭義の中国リスクには人件費高騰や知的財産権の侵害は含まれません。


別の人は、中国リスクを「中国事業継続を阻害するリスク」の意味で用います。例えば、JETRO調査[1]では、中国におけるビジネス上のリスク・問題点として以下を列挙しています。

1. 政情
2. 人件費高騰
3. 法制度
4. 知的財産権
5. 代金回収
6. 労務
7. 税務


ある民間シンクタンクの調査[2]によると、中国に進出した製造業が事業撤退する主な理由として、人件費高騰と債権回収リスクの顕在化の2つを挙げています。中国に進出したIT企業は、主に日系企業へのサービス提供で売上を立てています。よって、日系企業の業績不振によってIT企業の経営環境も厳しくなっていると指摘します。


近年、カントリーリスクを後者の意味で幅広く用いられる傾向があります。実際、オフショア大學でも「中国カントリーリスク」と「中国事業継続を阻害するリスク」を混同して用いることがありました。

今後、オフショア大學では、カントリーリスクを本来の狭義の意味で用いるようにします。

1. JETRO, 2013年度日本企業の中国での事業展開に関する アンケート調査(2013年9月)
2. 21世紀中国総研、中国撤退主要企業一覧(2015.1~2017.8)


■ 問いかけ

<問1>なぜ、中国カントリーリスクに「人件費高騰」は含まれないのでしょうか? 人件費高騰によって、明らかに財務・資金面のリスクが高まると思うのですが。

<問2>中国カントリーリスクに「為替変動」は含まれると思いますか?(Y/N)

<問3>中国カントリーリスクに「ネットワーク障害」は含まれると思いますか?(Y/N)

*Hints: オフショア大學公式メールマガジンに詳細な補足説明が追記されています。

| | Comments (0)

マレーシアIT事情クイズ(3)

先日、マレーシア・ペナンの政府系教育機関 JMTi (Japan - Malaysia Technical Institut) から公式な招待を受けて、日本のオフショアリング事情について講演しました。

マレーシアの人口は約3,000万人、規模感はベトナムのおよそ3分の1だと覚えておくとよいでしょう。

クアラルンプール 180万人
ペナン      160万人

ベトナム人口  9,300万人
ハノイ      760万人
ホーチミン    840万人
ダナン      135万人


人口規模は小さいものの、範囲を限定すればマレーシアも日本にとって有力なIT人材供給源になるとオフショア大學は分析します。

従来のチャイナプラスワン(China plus one)は、リスク分散の観点が強調されてきました。すなわち、カントリーリスクのある中国の代替地を開拓して、日本企業の中国依存度を下げることが主目的です。

よって、チャイナプラスワンは、オフショア開発の仕事を奪い合う「ゼロサム・ゲーム」となりがちです。実際、ベトナムと中国が互いに連携して、オフショア開発の付加価値を高めて日本企業に貢献した、という話はほとんど耳にしません。

その一方で、マレーシアの存在は、日本企業の「オフショア開発」をパイを奪い合うゼロサム・ゲームから、新たな付加価値を創造するプラスサム・ゲームに転換させる可能性を感じさせてくれます。

今日も、マレーシア国とペナンに関するクイズを出題します。

■ 問いかけ

<問1>18世紀後半、ペナンは英国に植民地化されていた時期があります。ここで、ペナンが香港と似たような境遇であったと仮定します。これは日本のオフショア開発にどう影響すると思いますか?

<問2>ペナンは、マレーシア有数の国際リゾート地としても有名です。同じような特徴を持つフィリピン・セブ島やベトナム・ダナンと比較して、オフショア受託地域としてのペナンの可能性を分析しなさい。

<問3>ペナンには意外にたくさんの外資系工場が存在します。なぜペナンは、多国籍企業の一大製造拠点として発展できたのでしょうか。その成功要因を分析しなさい。

*Hints: オフショア大學公式メールマガジンに詳細な補足説明が追記されています。

| | Comments (0)

マレーシアIT事情クイズ(2)

先週、マレーシア・ペナンの政府系教育機関 JMTi (Japan - Malaysia Technical Institut) で日本のオフショアリング事情について講演しました。

マレーシアの情報を調べると、すぐに「世界有数の親日国」という使い古された言い回しに気づきます。なのに、近年、日本ではマレーシアの暗いニュースばかりが報道されています。とても残念です。

・国民車メーカー・プロトンの迷走、中国企業傘下へ(2017)
・北朝鮮の要人暗殺事件(2017)
・高速鉄道 中国が入札(2016)
・首相の汚職疑惑(2016)
・マレーシア航空機墜落事故(2014)


私たちが訪問したペナンは、首都クアラルンプール(KL)に次ぐ主要都市の1つです。マレー半島の南部でシンガポールに近い KL に対して、ペナンはマレーシアの北部に位置します。そのため、ペナンは相対的にタイやインド、中東、そして、ヨーロッパの影響を強く受けやすい地理的条件を備えているといえます。

18世紀後半、ペナンは英国に植民地化されていた時期があります。さらに、ペナンは中華系の住民の割合が高いことでも知られています。

今日も、マレーシアとペナンに関するクイズを出題します。


■ 問いかけ

<問1>マレーシア全体と首都クアラルンプール、ペナン(州)の人口をそれぞれ答えなさい。

<問2>マレーシアは、日本にとって有力なIT人材供給源の1つになると思いますか? ベトナムやミャンマーの人口動態と比較して答えなさい。

<問3>ペナンで暮らす中華系住民の割合は 40%。マレー系住民 42% に次ぐ一大勢力です。この事実は、日本のオフショア開発にどう影響すると思いますか?
Photo


*Hints: オフショア大學公式メールマガジンに詳細な補足説明が追記されています。

| | Comments (0)

マレーシアIT事情クイズ(1)

先週、マレーシア・ペナンの政府系教育機関 JMTi (Japan - Malaysia Technical Institut) で日本のオフショアリング事情について講演しました。

まず、日本の高齢化と人手不足の話題を取り上げて、なぜITグローバル開発が日本企業の重要課題になりつつあるのかを歴史的観点から聴講者に理解していただきました。

次いで、IPA等の調査データを引用しつつ、要所でオフショア大學の独自見解を交えたところ、マクロ統計では発見できない知見が得られたと聴講者からの評判もまずまずでした。

私が紹介した内容は以下の通りです。

【データ系】
・日本国全体の人口動態
・日本国内のIT市場動向
・日本国内のオフショア市場動向
・オフショア主要国の人月単価
・日本IT技術者が所属する企業の内訳

【分析系】
・中国とベトナムの成功要因
・フィリピンとミャンマーの阻害要因
・日本独特の商習慣
・オフショア開発の戦略シフト
・マレーシアがやるべき3つのステップ

1

3

25

マレーシアの聴講者は、前半のIT産業動向について強い関心を示しました。ところが、意外にも人月単価に関してはほとんど関心を示しませんでした。

講演後の個別 Q&A では「どうやれば日本顧客と接触できるか?」「日本で需要の高い技術領域は?」などの質問が相次ぎました。

モーリシャスから参加したあるIT担当役人からは「ぜひモーリシャスにいらしてください、ホテルなどはこちらで手配しますから」と嬉しい社交辞令をいただきました。

■ 問いかけ

<問1>オフショア大學訪問団がマレーシア・ペナンを訪問した際、現地のIT技術者について最も驚いたことは何でしょうか? 一般論ではなく、オフショア大學訪問団の独断と偏見に基づく答えを予想しなさい。

(1) ほぼ全員が流暢な英語を話すこと
(2) 英語と中国語の両方を話す技術者が豊富にいること
(3) 英語がほとんど話せない技術者が2割程度いること
(4) C言語やCOBOLなどレガシー技術の教育が盛んなこど
(5) IT技術者の過半数が女性だったこと

<問2>オフショア大學訪問団がマレーシア・ペナンを訪問した際、いろいろな光景に出くわしました。以下のうち、「間違い」を1つ選びなさい。ただし一般論ではなく、オフショア大學訪問団の独断と偏見に基づく答えを予想しなさい。

(1) コーヒーを飲む現地メンバーが多かった
(2) 夜の会食なのに現地メンバーは全く酒を飲まなかった
(3) 出会った多く人が「日本人は礼儀正しい」と発言した
(4) 日常のお買い物の多くがスマホ電子決済に対応していた
(5) ペナンのマレー鉄道はほぼ時刻表通りに運行されていた

<問3>オフショア大學訪問団がマレーシア・ペナンを訪問した際、いろいろな英語を耳にしました。以下のうち、「間違い」を1つ選びなさい。ただし一般論ではなく、オフショア大學訪問団の独断と偏見に基づく答えを予想しなさい。

(1) それなりにきれいなイギリス英語の発音だった
(2) 女性の二人称を「He」と間違う(本来は She)
(3) マレー系なのに「オッケーら(OK了)」と言う
(4) 単語を繰り返す(can can can:できるできる)

*Hints: オフショア大學公式メールマガジンに詳細な補足説明が追記されています。

| | Comments (0)

« September 2017 | Main