常識を測る質問力

中国の常識を知りたい

仕事柄、電話等で中国の方とお話をします。違う国なのですから考え方は違うと思います。どの様な考えを持っているのか、常識なのかを知りたいです。(日本人読者)

■質問する力

本誌の読者ならお馴染みだろうが、誰かが「中国の常識」を語る時には、特に注意して聞かなくてはいけない。

本誌で「中国の常識」を話題にする時は、上海・北京・大連のオフショア開発関係者を対象としていることを暗黙の了解としたい。(いつも注意しているつもりだが、念のため)

あなたが、中国オフショア開発を受託する側の常識や考え方を知りたい場合は、どうすればよいだろうか。ヒントは「質問する力」に隠されている。

今年2月、上海で開催したオフショア開発交流会で、現地で働くオフショア開発受託側の担当者にこんな質問を投げかけてみた。

「日本に物事を催促するとき、どんなことに注意しますか?」

■回答

  • (仕様提示を)催促する前に、いいことを伝える「ここまでできました。なので、これをください」

  • 要求をはっきりいう。条件を互いにはっきりさせる

  • 日本は納期優先が多いので、「コスト、納期、品質」のバランスをはっきりさせる。でも、日本はなかなかうまく説明してくれないのでウンザリ。

  • 堂々と催促する。ビジネスは対等な立場だ。もっと強気でいわなきゃいかん。

  • 回答期限を明記する

(番外編)
日本から勝手な言い分ばかりでてきて困る。例えば、インド企業を相手にしたとき、日本人は英語でコミュニケーションした。ところが、中国が相手ならすべて日本語で押し通す。日本企業は、根本的から変えないと進歩しない!(上海通の日本人読者)

■成功の勘所

あなたが、中国オフショア開発を受託する側の常識や考え方を知りたい場合は、どうすればよいだろうか?

答えは単純。身近にいる中国人に聞けばいい。では、聞く相手がいない人はどうすればよいか。

ご安心を!
そんなあなたのために、このメルマガが存在する。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

漠然とした問題

中国企業と仕事をするようになって4年になります

ビジネス感覚の違いなど、意思の疎通に苦労することが多いです。私の担当する業務は開発ではありませんが、プロジェクトを日中共同で進めるという点においてはオフショア開発と共通するところが多く、大変興味深く読んでいます。(BPO分野/日本人)

■漠然と抱えていた問題 → 実は他社も全く同じ状況でした

最近は、純粋なオフショア開発関係者だけではなく、BPOや中国貿易に携わる読者が増えてきた。

本誌を創刊した頃は、オフショア開発のテクニック的な話題を中心にお届けしたものだ。今では私自身の成長に伴い、記事の内容も随分と変わってきたと感じる。

> 「中国ビジネス入門」は今まで漠然と抱えていた
> モヤモヤとした問題点を明確にし、
> 解決に導く為のヒントに
> なってくれるのではないかと感じています。
>
> 今後も配信を楽しみにしております。

↑ありがとうございます(幸地)

■成功の勘所

先日のセミナー受講者が面白いコメントを残してくれた。

幸地先生のセミナーに出席したおかげで、中国オフショア開発の最前線のイメージがつかめました。我が社だけが特別じゃないんだ、と妙に安心しました。

初めてのオフショア開発では、それなりに痛い経験が伴うものだ。現在、あなたが何らかのトラブルを抱えているとすれば、それは、貴社固有の問題ではない。

例えば、日本と中国では「技術」に対する考え方がまるっきり異なる。

[日本] 長年の技術蓄積、自前主義、プロセス重視、職人気質
[中国] 外資導入、合弁、短期主義、結果主義、管理職偏重

これらを意識しておくだけでも、中国企業のビジネス感覚の理解がかなり深まる。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

アンケート「使用言語」

一人くらいは、英語力のあるSEを配置したい

すべての日本人SEが英語を流暢に操る必要はないが、プロジェクトに1人くらい英語が得意な者を用意できないだろうか。(本誌発行人 幸地司)

【アンケート】オフショア開発で使用する言語は何ですか?
●多くの日本企業にとって、オフショア委託先でも日本語が通じるかどうかは、とても大切な課題だ。

先日のアンケートでも、オフショア開発の新規パートナー開拓時、最も重視する判断基準は「日本語コミュニケーション」だと回答した数は全体第2位の14%。

これまでに本誌で掲載してきた主張はこうだ。

・どちらかにネイティブスピーカーがいる言語を使うべき・文書は日本語、会話では英語を補助的に用いるとよい

●コミュニケーションの方法については、読者からも多様な意見が寄せられてくる。

<タイ在住の日本人SE>
中国オフショアと決定的に違うのは、日本語が通じないと言うことです。日本語を話せるエンジニアはほぼ皆無です。
 
仕事では会話はタイ語、ドキュメントは英語です。
幸地さんの持論である、
  「どちらかにネイティブスピーカーがいる言語を使うべき」
に私も賛成です。

<中国オフショア開発を推進する日本人SE>
今後のオフショアのやりとりは日本語ではなく英語も視野に入れる必要があるような事が書かれていました。

でも、私自身、英語は駄目ですし、勿論、中国語もまだまだです。私は中国オフショアのメリットは中国人が日本語でコミュニケーションが取れることも重要な要素だと思っております。

インドが日本へのオフショアに失敗した典型が英語と日本語のやりとりが原因でもあったと聞きます。そういった意味で、本当に英語でのコミュニケーションでいいのか?と思っているのは私だけでしょうか。
              ※

●本誌読者の皆さまにお聞きしたい。あなたの会社のオフショア開発で使用する言語は何ですか。国によって異なるし、現場で工夫する点も山のようにあるだろう。ぜひコメント欄にお書きください。

ドキュメント、会話も含めすべて日本語
原則として日本語だが、ときどき英語も使う
ドキュメントは日本語、会話では英語をよく使う
ドキュメント、会話も含めすべて英語
その他(コメント欄に詳細をお書きください)
結果を見る
コメントボード

締切:2005年06月09日23時

■成功の勘所
あなたの会社がブリッジSEに期待する役割をいま一度定義しなおしてみよう。単なる通訳者のことを「ブリッジSE」と呼んでいないだろうか。
※さらに濃厚な情報へ→ オフショア開発メールマガジン

| | Comments (9) | TrackBack (1)

中国に限定しない話題提供

-----Original Message----- Sent: Friday, May 27, 2005 12:58 PM Subject: メルマガ「中国ビジネス入門」購読者より

こんにちは。
いつもとっても興味深く読ませてもらってます。
特に最近は、ベトナムの記事が続いており興味津々です。そこでお願いなのですが、「中国」に限定せずもっと幅を広げて欲しいです。例えば、「アジアでのオフショア開発入門」みたいな感じで・・・。(タイ在住の日本人SE)

■またまたウィークリーまぐまぐで紹介されました!
こんにちは、オフショア開発コンサルタント 幸地司です。 リクエストありがとうございます。今のところ、このメルマガは「中国」よりも「オフショア開発」に軸足を置いています。

タイ国への「オフショア」開発は聞いたことはありませんが、現地企業にサポートする日系企業の話は聞いたことがあります。

タイでの開発業務で苦労された点などがあれば、体験談などをお気軽にお寄せください。今後とも、よろしくお願いいたします。

ところで、今週のウィークリーまぐまぐで、またまた本誌が紹介されました。通算発行数 200回を軽くオーバーし、この分野では国内ダントツの規模を誇るメールマガジンにまで成長しました。

これも、日ごろから応援してくださる、皆さまのおかげです。
ありがとうございます。
本当にありがとうございます。

たまに、間違い指摘や反対意見、誹謗中傷などの厳しいメールが届きますが、基本的には歓迎します。

■成功の勘所
これから中国オフショア開発に着手される企業で、特にお急ぎで相談されたい方がいらっしゃれば、当社主催のオフショア開発勉強会、またはセミナーにお気軽にご参加ください。
※さらに濃厚な情報へ→ オフショア開発メールマガジン

| | Comments (0) | TrackBack (0)

中国のあら捜しする暇があれば・・

コスト削減から市場開拓へ、攻めのオフショア開発始まる

反日デモで揺れた中国だが、オフショア開発の流れはもう止められない。国内ではオフショア開発によるコスト削減を条件とするシステム商談も急増。もはや売上拡大に不可欠な存在になり始めている。
(日経ソリューションビジネス 2005/4/30号 スペシャルレポート)

■中国のあら捜しをしている暇はないはずだ
●このメールマガジンが創刊したのは2003年7月。おかげさまで、そろそろ2周年記念を迎える。日本で発行されたオフショア開発関連の書籍や専門誌には、出来るだけ目を通すようにしている。

前出の日経ソリューションビジネスを読んで正直こう思った。最近の日本のマスコミはようやく本誌のレベルに近づいてきたな、と。コッソリ自画自賛だ(笑)。

●中国オフショア開発を「選択肢の一つ」と見るか、「生き残りの秘策」と見るかは、会社の事情によって異なるだろう。中国の側も、日本を「最重要顧客」と見るか、「数ある顧客の一部」と見るかは千差万別だが、最近の受け入れ態勢の充実振りは目を見張るものがある。

●ここで、前出の日経ソリューションビジネスに掲載された4ページの特集内容を軽く紹介しよう。

  • ユーザー企業のコスト圧力がオフショア開発の推進力となる
  • 元請が下請に対し、50%オフショア化することを要求することも
  • 以前は投資だけで5~6年、回収までに10年かかったが、今では投資期間はもっと短く済むだろう
  • 日本国内には中国人留学生や卒業生が10万人以上おり、彼らの有効活用も一案だ
  • 準備のない会社がオフショアすると必ず失敗する
  • EPRのアドオン開発を中国で実施中(結果はこれから)
  • 日系企業向けソリューション提供が急拡大
  • 反日デモの具体的な影響は出ていない

■成功の勘所
今どき中国オフショア開発をするかしないかの議論は意味がない。法人だけではなく、普通の会社員だって複数の収入源を持つのは常識とされるのが今の時代だ。

中国オフショア開発を「選択肢の一つ」と見るか、「生き残りの秘策」と見るかは、会社の事情によって異なるだろう。それでも、あなたは中国のあら捜しに終始しますか。

※さらに濃厚な情報へ→ オフショア開発メールマガジン

※→コメント欄にあなたの回答・ご意見をください。

| | Comments (1) | TrackBack (1)

進捗管理の「モノサシ」

初めてのオフショア開発で手こずっています

東京都内のある独立系ソフトウェアハウスにお邪魔して、苦戦が続く中国オフショア開発の実態についてお聞きした。全国数箇所に拠点を持つこの会社、国内の分散開発ではそれなりの実績を残しているが、中国企業との共同開発は今回が初めてだという。

さまざまな工夫を凝らして慎重に進めているものの、なかなか思うようにはかどらないようだ。
<プロジェクト概要(※)>
・対象システム:Web系業務アプリケーション
・活用技術:Java, UML
・中国担当:製造~テスト(2ヶ月間)

■進捗管理の「モノサシ」、三つのポイント
◇:本誌執筆者(幸地) ◆:取材先のプロジェクトマネージャー

◇どのような開発体制ですか?

◆日本側6名、中国側4名、総勢10名の開発チームを組んでいます。中国オフショア開発の下準備という位置づけなので、現在は4名の中国人技術者をすべて社内に常駐させています。

◇中国ベンダに委託した開発工程は?

◆当初は、詳細設計から結合テストまでやってもらうつもりでした。ところが、こちらが期待するレベルのモノが出来上がってこないんです。残念ながら、今は計画を変更して、製造工程からやってもらうことにしました。

◇具体的にはどのような問題が発生したのですか?

◆本来、詳細設計で作成すべき資料を100だとすると、60点、いや、それ以下のモノしか作ることが出来ません。彼らの意識では、このレベルで合格だと思っているのでしょう。本当に参っています。

◇日本が期待するレベルを定量的に評価する基準はありますか?
例えば、この段階なら80点、ここまで出来たら100点満点など、明確で分かりやすい判断の拠り所となる「モノサシ」はなんでしょうか。

◆おっしゃることはよく分かります。口頭ではよく説明したはずなんですが、残念ながら、中国側と共有できるような判断の「モノサシ」は準備していませんでした。逆にお聞きしますが、具体的にはどのような基準を用意すればよいのでしょうか。

◇ポイントは3つあります。

1.全工程の成果物を漏れなく定義する
2.成果物のサンプルを事前に提示する
3.サンプルをお手本として、中国側に水平展開させる

中国オフショア開発では、最終成果物をチェックすればいいという考え方は通用しません。たとえ、あなたが正確な仕様書を提示したとしても、途中の開発プロセスが正しく実施されているかどうかまで、根気強くフォローする必要があります。

◇ご用意いただいた、レビュー報告書を拝見させてください。

◆はい。こちらになります。

詳細設計からコーディング初期に実施されたレビュー報告書の一部抜粋。

・検索機能の仕様が全く理解されていないような気がします
・「わかりました」「出来ます」といったのに、全くNGです!
・何度も同じ説明を繰り返したのに、全く対処されていません
・ソースコードにコメントが全く書かれていません

(本誌では、やわらかい表現に直しましたが、実物の報告書はもっと直接的で批判的な表現でした)

◇かなり辛辣な言葉が並べられていますね(汗)。この報告書を書いた(日本人の)担当者は、かなり感情的になっていますね。

◆そうなんです。実は、中国側との連絡窓口は経験の浅い若手社員が担当しています。いや、もちろん、技術的にはそこそこ出来るのですが、いろいろ事情がありまして・・。何とかしたいとは思っているのですが。

◇どこの会社さんも、そうおっしゃられます(笑)中国オフショア開発実践セミナーでも触れていますが、中国ベンダとの連絡窓口は、やはり実戦経験が豊富な方が適しています。社内事情があるのはお察しいたしますが、中国オフショア開発は一種の新規事業ですから。

◆・・・(苦笑)
中国オフショア開発は新規事業ですか。確かにそうかもしれません。短期的には絶対に原価削減効果は現れないので、長期的な視点で取り組む必要がありそうです。

◇おっしゃるとおりです。ところで、中国オフショア開発の設計からコーディング中に発生するトラブルの要因は大きく二つに大別されます。

1.中国側の仕様理解不足、あるいは考慮不足による設計差し戻し
2.日本側の仕様提示ミス、説明不足、設計不足による手戻り

前出のレビュー内容から察するに、中国側の作業が滞った原因は2.の割合が大きいような気がします。6:4、ないしは7:3の割合で、日本側に改善の余地があるのかと。

◆確かにそういう見方もあると思います。もちろん、開発標準などは、うちから事前にちゃんと提示しています。それでも、設計の考慮漏れやコーディング規約違反が大量に発生します。
こうなると、さすがにうちの担当者も頭にきて、先ほどのように、報告書で厳しいコメントを書いてしまうのです。

◇ところで、レビュー報告書には、担当者の愚痴も多く見られますね。担当者間で不満を言い合うのは、オフショア開発の負けパターンにはまっています。

◆では、どうすればいいでしょうか。

◇担当者の愚痴や不満を吸い上げるのは、大切なことです。特に、今回は若手社員に負荷がかかっているようなので、マネージャーや管理部門の方が親身になって話を聞いてあげてください。その上で、中国ベンダに伝えるべきことがあれば、担当者からではなく会社幹部が直接中国ベンダの総経理にぶつけてください。

御社の例では、現場レベルの対策ではなく、会社間の問題として扱うべきでしょう。風通しのよいコミュニケーションを実現させることを優先させてください。

◆そうですね。場合によっては、中国側現場リーダーの変更もありえます。実は、委託先の中国ベンダには3名の優秀な中国人マネージャーがいます。
次のプロジェクトからは、3名の役員のうち、最低一人は直接現場をマネジメントしてくれるよう要求を出したいと思います。

◇いい考えですね。可能なら「次回対応ではなく、即時対応」を要求してください。

◆次回対応ではなく、即時対応ですか。

◇そうです。中国オフショア開発では、トップダウン的なアプローチが効果的です。リーダーが替われば、プロジェクトの様相は一変します。ぜひ、会社上層部を巻き込んで組織的な解決を目指してください。

◆はい。ありがとうございます。

■成功の勘所
中国オフショア開発は新規事業という考え方を持ってみよう。視点を変えるだけで、違う解決策が見出せるかもしれません。
こちらもご覧あれ→ 中国オフショア開発専門メルマガ

→コメント欄にあなたの回答・ご意見をください。

| | Comments (0) | TrackBack (1)

仕様変更の最上の策

仕様変更を依頼するとき

例の給与システム開発の帳票機能ですが、お客様の都合で仕様を変更してもらいたいんです。出力帳票の種類を増やして、さらに承認ワークフローにも若干手を加えていただきたい・・・

■最上の策は、追加発注をほのめかすこと

今回は、「仕様変更はやむを得ない」という前提で話を進める。一般にプロジェクトの目標はQCDの3要素あるが、さらにスコープ(S)を追加すると、全部で4要素を考慮しなくてはいけない。

納期を絶対視するならば、費用(Q)を多めに支払うなど、少なくとも残り3つの要素の中の1つを犠牲にしなくてはいけない。通常は、品質(Q)を落とすことはないので、開発費はそのままにして、代わりにスコープを狭めるという選択肢もよくある。

同様に、仕様変更を依頼するならば、納期を遅らせるか、作業範囲を狭めるか、追加費用を支払うつもりでなければ対等なビジネス関係とはいえない。つまり、「仕様変更はやむを得ない」という前提は、「QCD+Sのどれかが影響を受ける」ことを認めることに他ならない。

そこで、受ける影響を出来るだけ小さくするような努力と工夫が求められる。この場合、日本側でコントロールできる要素が3つある。

1.仕様変更通達の時期を早める
2.暫定仕様を段階的に実装させる(段階的発注)
3.別の仕事を追加発注する可能性を示唆する

現実的には、3.が最上の手段だ。「発注取り下げ」という極端な手段もあるが、本誌の趣旨に反するため、これ以上は扱わない。

仕様変更を依頼したら、中国ベンダから理由や背景などの詳細を聞かれるだろう。「どこまで細かい情報を伝えるべきか」については、オフショア開発の初心者ならずとも、判断に迷うところかもしれない。

本誌のスタンスは、「情報は可能な限り中国に伝える方が望ましい」である。つまり、仕様や設計内容の説明だけではなく、業務背景やエンドユーザの風土や方針などについても言及したい。

しかしながら、中国に情報を与えすぎたことによる弊害も見過ごせない。『対中交渉の落とし穴 ~7つのケーススタディ』にも1つ事例があるので、まだの方はぜひダウンロードしていただきたい。

■成功の勘所

中国と良好な関係を構築し、より一層のコスト削減を目指すには、ベンダと一体となった情報共有の仕組みが欠かせない。ところが、情報の与えすぎによる弊害にも注意を向けよう。

●最終納期を自分勝手に解釈する
エンドユーザのカットオーバーまで、まだ1ヶ月残っている。ここで残業しなくてもまだ間に合う!と、日本の作業量を考慮せず勝手に判断して、定時に帰宅する(涙)

●悪い事例をモノマネする
VBで構築された業務アプリケーションをWebアプリケーションで再構築することになった。ところが、旧システムの画面を新システムでソックリそのまま再現しようと試みたため、Webアプリの定石から外れた画面設計となってしまった。

●とんちんかんな提案を受ける
「この業務は効率が悪い。パッケージを使ってこうしなさい」等と、もっともらしい提案を次から次へと口にするが、日本的な商慣習を無視しているため、ユーザから総スカンを食らう。

こちらもご覧あれ→ 中国オフショア開発専門メルマガ

→コメント欄にあなたの回答・ご意見をください。

今回の記事はいかがでしょうか?
少しでもお役に立てれば幸いです。
今後もこの調子で頑張れ!と思われた方は、こちらをクリックして人気blogランキングに一票を投じてください。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

欧米流の人事制度も機能していない

10年選手はほとんど存在しない!

中国には12億人以上(外務省調べ、2002年現在)の人間がいるとは言っても、まともな企業で10年以上の勤務経験を積んだ人材はごくごく一握りしかいない。
特に日系企業の場合、「仕事は先輩の背中を見て学ぶもの」という感覚が強い。ところがこうした中国の外資で先駆者として働いてきた人々には「見るべき背中」がどこにもなかった。

言葉も文化も違う外国人駐在員に教わりながら、見よう見まねでなんとかやってきたのである。そう考えれば、中国にマネジメントができる人材が少ないのはごく当たり前の話だと分かるだろう。
日経ビジネス2004/12/21 田中信彦の「上海時報」

■新卒採用にチャレンジ!

マネージャがいないのであれば、自社で育てるしかない。今月、事実上の公的機関である上海日本商工クラブが、日系企業の採用活動の支援をはじめた。

先日、上海にある日系企業の現地責任者から聞いた話によると、1年半前に採用した中国人のうち、今残っているのはわずか3分の1に過ぎない。それでも、次は上海日本商工クラブを通じて、大学新卒者の採用をはじめるとのこと。

上海日本商工クラブが絡むことで、日本企業同士で無益な人材の奪い合いを避けることが出来る。しかしながら、欧米企業に対しては一切抑止力を持たないのが苦しい台所事情だ。

記事によると、欧米系の企業ですら、人材を自前で育成する方針に傾きつつあるようだ。実は、人材の流動を前提にした欧米流の人事制度も中国ではうまく機能していないところが多い。

孔子の直系子孫で、日中の文化・経済の発展に尽力してきた孔健氏は、日系企業に対して次のように助言する。

中国に進出を図る日本企業の主要な関心事は、ハイテク技術と転職対策である。転職対策については明確だ。待遇評価の基準をより明確にし、成果を上げた人間には厚く、ダメな人間には薄くしたメリハリのある給与システムをつくり、日本人幹部を少なくし、中国人幹部を積極的に登用すればよいのである。 参考図書:中国は即儲かる!-日本・中国共存繁栄論/孔健 (著)

これは、中国で成功する人材戦略の定説であったが、ここにきて、長期的視野で人材育成に取り組む日系企業のやり方が徐々に見直されつつある。

よく思い出してみると、中国人が経営する徹底した成果主義を敷くベンダを知っているが、そこは技術者が全く定着しない。しかも、中国人が退社する際は様々なトラブルを置き土産として残していく。

中国人の転職対策は、日本や欧米の企業だけではなく、中国ベンダ自身も頭を悩ませているのが現状だ。人材確保をめぐる戦いは、2005年も続きそうである。

こちらもご覧あれ→ 中国オフショア開発専門メルマガ

→コメント欄にあなたの回答・ご意見をください。

今回の記事はいかがでしょうか?
少しでもお役に立てれば幸いです。
今後もこの調子で頑張れ!と思われた方は、こちらをクリックして人気blogランキングに一票を投じてください。

| | Comments (3) | TrackBack (0)

オフショア開発はリスキーか

オフショア開発へのスタンスを問う

はじめまして、○○○と申します。
ところでこのブログやメールマガジン、中国オフショア開発を進行中の会社が時限爆弾だの地雷だのを踏まない為に読む分には本当にいろいろと勉強になります。かなり「生の声」だし、読んでいて楽しい。しかし、もしこれから中国に投げてみようかな、と思う人には「リスキーだ」という印象で終わりますよね。
幸地さんは基本的には「リスクはあるもののオフショア開発推進」ですか?それともありのままの現状を伝えればOKでしょうか。(女性/管理部)

■リスクは取るもの

鋭い突っ込みメール、ありがとうございます。
当然ですが、私は「リスクはあるもののオフショア開発推進」の立場を取っています。メルマガを書くときには、いつもできるだけ「生の声」やリスキーな部分を取り上げていくつもりです。過去にこのメルマガが原因で中国オフショア開発が敬遠されてしまうと心配したことは一度もありません。

その理由は単純です。企業がソフトウェア開発の中国シフトを検討する際、意思決定のプロセスに現場リーダーの声はほとんど反映されません。必ずトップダウンで決まるからです。
「来期からうちの社でも中国オフショア開発を始めることになったから。そのつもりで準備してくれたまえ」

このようなリクエストにこたえるために本ブログを開設しました。現在まさに案件を抱えて苦労している案件リーダーやマネージャをはじめ、真剣に中国シフトを検討されている経営者、情報担当役員を対象に実践的で楽しくドキドキするような情報提供を心掛けています。


こちらもご覧あれ→ 中国オフショア開発専門メルマガ

→コメント欄にあなたの回答・ご意見をください。

今回の記事はいかがでしょうか?
少しでもお役に立てれば幸いです。
今後もこの調子で頑張れ!と思われた方は、こちらをクリックして人気blogランキングに一票を投じてください。

| | Comments (0) | TrackBack (1)

見切り発車への対応

経営陣がトントン拍子で進めるオフショア開発

中国進出を考えているソフトウェア会社に勤務しております。私は、管理部の管理職ですが中国でのオフショア開発についての知識がまったくありません。

経営陣は、関係者と話をトントン拍子に進めています。少しでも状況については知っておく必要があると思います。(読者の声)

■経営陣の見切り発車に対応する

●現場の知らないところで、オフショア開発の話が一人歩きする、こんな会社は少なくない。

オフショア開発で成功する企業には、相手国の文化やコミュニケーションの傾向を察知する目の肥えたコーディネータが欠かせない。ところが、ソロバンをはじくだけの経営者には、そんな話には興味が湧かないのかもしれない。

●“目の肥えた”コーディネータとは、日本文化とオフショア開発委託先の企業文化を見事に融合させることができる人物だ。

開発コーディネータの役割については、オフショア開発実践セミナーで詳しく解説しているので、初心者の方はぜひ参加していただきた
い。

●毎回、セミナー参加者から共感が得られる話題の1つに「見切り発車」のネタがある。簡単に説明するとこうなる。

セミナーテキストには「見切り発車はNG」とある。この記述を見ると、多くの参加者はガックリするらしい。

・・・

ところが、セミナーで私が「実際には見切り発車もやむを得ない」と説明すると、参加者は一様にほっとした表情を見せる。

●中国オフショア開発のリスクは、全て回避できるとは限らない。少なくとも、見切り発車のリスクは回避できないものとして、対処しなくてはいけない。状況に応じて、リスクを軽減させたり、他の要素に転嫁させたり、あるいは、受容することもあり得る。

それが、プロのリスク管理というものだ。

●オフショア開発の立上げでは、経営陣の意気込みに対して現場がついていけないケースが多い。その結果、勢いあまって、見切り発車することになる。

当然のことながら、適切なプロジェクトチームが編成されておらず、開発コーディネータも不在だ。

●なぜ、中国オフショア開発は失敗し続けるのだろうか?そのヒントを探るためにも、当社が無料配布するケーススタディや各種セミナーを上手に活用するとよい。

中国オフショア開発実践セミナー

■ 成功の勘所 ■

中国オフショア開発では、過去に先人達が多数の失敗を犯してきた。

今からオフショア開発に取り組む会社は、同じ失敗を繰り返す必要はない。経営陣がトントン拍子で進めるなら、現場も常に情報を獲得できるような仕組みを持っておこう。

こちらもご覧あれ→ 中国オフショア開発専門メルマガ

→コメント欄にあなたの回答・ご意見をください。

今回の記事はいかがでしょうか?
少しでもお役に立てれば幸いです。
今後もこの調子で頑張れ!と思われた方は、こちらをクリックして人気blogランキングに一票を投じてください。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

プロラム不正コピー

セキュリティーが心配で前に進みません

当社でも中国での開発を提案していますが、セキュリティーなどの問題があるためなかなか実現できません。(男性/技術部)

■プロラム不正コピーのケーススタディ

「セキュリティーが心配」、ごもっともな意見だ。

情報セキュリティのトラブルは、既に深刻な社会問題と化している。
オフショア開発では、これがきちんとクリアしない限り、スタートラインにすら立てない。

セキュリティーに関して、私が実際に聞いたことのある事例を列挙する。

・会社ぐるみのプロラム不正コピー
・ずさんな管理による顧客データ漏洩
・ウィルス、停電などによる情報漏洩と破壊

・・・

続きはこちらから→ 中国オフショア開発専門メルマガ Vol.106

| | Comments (0) | TrackBack (0)

転ばぬ先の杖

読者からのお便り紹介

弊社は昨年10月より、上海、大連において、○○○のオフショア開発を実施しております。月5人程度の小規模のプロジェクトであり、経験不足でまだ問題点の抽出分析すらできていない状況です。

・・・であり、ビジネスとしては成立していないというのが正直なところです。

しかしながら、ソフト単価の下落傾向が激しい国内の状況を考えますと世界的な視野にたって開発拠点を考えるべきであり、また中国他のマーケットへの足がかりとしての魅力も大いに感じます。

対中交渉の落とし穴 ~7つのケーススタディ』は経験の浅い弊社にとって大変貴重なものであり、転ばぬ先の杖として使わせていただきたいと考えております。(男性)

■他社事例から「転ばぬ先の杖」を得る

正しいオフショア開発に失敗はない。
そこに、あるのは学びだけだ。

オフショア開発を本気ではじめようと思う企業にとって、他社の成功・失敗事例は本当に役に立つだろう。

本誌や当社セミナー等を活用して、自動車の仮免許を取得する感覚で、手軽にオフショア開発の実態に触れて欲しい。

・・・

続きはこちらから→ 中国オフショア開発専門メルマガ Vol.105

| | Comments (0) | TrackBack (0)

刺身と麻婆豆腐で斬るオフショア開発

日本はお刺身文化、中国は麻婆豆腐文化。どういう意味だか分かりますか?先日、あるコンサルティング会社の中国人社長から伺った話です。

●日本はお刺身文化

お刺身は何千年も前から変らぬ調理法。世界中どこで食べてもお刺身は基本形は普遍。盛り付けを凝れば、芸術の域に達することも!

つまり、普遍性・規律・美徳を重んじるのが、オフショア開発における日本企業の価値観。

●中国は麻婆豆腐文化

四川省の麻婆豆腐は激辛、北京はまろやか、東京は薄味(?)。見た目はぐちゃぐちゃだが、麻婆豆腐は土地や食べる人々によって様々な味が楽しめる。

つまり、臨機応変・結果重視を重んじるのが、オフショア開発における中国人の価値観。

今回の記事はいかがでしょうか?
少しでもお役に立てれば幸いです。
今後もこの調子で頑張れ!と思われた方は、こちらをクリックして人気blogランキングに一票を投じてください。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

中国オフショア開発実践セミナー

中国オフショア開発実践セミナーのご案内

この度、私が実践してきた教科書には載らない門外不出の中国オフショア開発の秘策を一挙公開するセミナーを開催します。成功の勘所を真剣に学びたい、あなたのご参加をお待ちしています。

今まで失敗を重ねてきた企業でも、必ず「中国シフト勝ち組10%」になれる絶好のチャンスです。ぜひこの機会をお見逃しなく!!


日本のプロジェクト管理マニュアルは全く役に立たない?決して他では教えない、中国オフショア開発成功の秘訣!

●数千万円、ときには億単位の資金を投下したにも関わらず、不安定な品質とスケジュール超過を招いてしまう中国オフショア開発。どうして多くのプロジェクトが次々と失敗していくのでしょうか。

それは、中国オフショア開発の本質的な課題を見落としているからに他なりません。

●今回のセミナーでは、中国オフショア開発プロジェクトの立上げから開発コーディネートに欠かせない以下のポイントを具体例を交えながら分かりやすく解説します。

・中国オフショア開発と国内開発の違いは何なのか?
・プロジェクトをスムーズに立ち上げるには?
・目に見える形で進捗管理するには?
・効果的なレビュー/評価/フィードバックとは?
・中国ベンダに日本基準の品質管理を理解させるには?


『中国オフショア開発実践セミナー』

 2004年1018日(月) 10:00-12:00 名古屋
 2004年1015日(金) 15:00-17:00 東京
 2004年105日(火) 15:00-17:00 東京
 2004年924日(金) 15:00-17:00 東京
 2004年914日(火) 15:00-17:00 東京

 会場 東京都中央区日本橋本町2-6-1 エイコービル2F
    地下鉄銀座線三越前駅 徒歩3分

 定員 先着15名

申し込みはここからどうぞ!

| | Comments (0) | TrackBack (0)

CMM取得は役立つか?

■質問
中国ベンダのCMM取得状況やレベル(1-5)は、発注側にとってどのような意味を持つのでしょうか?

→コメント欄にあなたの回答・ご意見をください。

今回の記事はいかがでしょうか?
少しでもお役に立てれば幸いです。
今後もこの調子で頑張れ!と思われた方は、こちらをクリックして人気blogランキングに一票を投じてください。

| | Comments (5) | TrackBack (0)

あなたの仕事が中国人に奪われる?

アメリカとインドとの間に始まったオフショア開発のモデルは、着実に日本にも浸透しつつあります。昨年のSARS騒動が鎮静化した現在では、中国ソフトウェア業界は完全にひとり立ちするまでに至りました。

中国オフショア開発は単なるブームから、生き残りをかけた企業戦略の有力な選択肢の一つとして位置付けられるようになりました。

これは世界的な流れです。残念ながら、ユーザ企業もシステムインテグレータも、強烈な中国シフトの波から逃れられる術はありません。

中国オフショア開発のプロジェクト管理技術が進歩することにより、近い将来には、システム開発のコストが大幅に削減され、優秀な人材が大量に安く導入できるような時代がやってくることでしょう。

これまで、特定の情報システム分野だけしか知らない、あるいは、レガシー技術だけが頼りの技術者にとって、これからが生き残りをかけた正念場となります。

新しい技術や考え方を身に付けて、市場ニーズに即した人材になれるかが勝負の分かれ目です。

付加価値のない技術者にとって受難の時代がもうそこまでやってきています。もし、このような部下が増えてきたらマネージャのあなたは、どのように対処すればよいでしょうか。その危機管理は出来ていますか?

全国各地の技術者求人情報を欠かさずチェックしていると、市場動向が体系的に把握できるようになります。結論を先に述べると、日本人スタッフの仕事が急激に減ることはしばらくありえません。

幸いにも、私たち日本人は外国籍エンジニアと比べて、お客の立場を察する感度が非常に優れています。また、日本固有の「あうんの呼吸」文化は、外国産パッケージ製品や海外オフショア開発にとって、高い参入障壁となってきました。

最近はその弊害がよく指摘されますが、これらは長年私たちが育んできた歴史・文化に基づく結果なので、特別な理由がない限り恥じることはありません。

ただし、これからの情報スタッフには、外国籍エンジニアといかに上手く付き合うかという異文化コミュニケーション能力が求められるようになるでしょう。その先導を務めるのが、情報マネージャ/SEマネージャ自身であることは疑いようもありません。

今回の記事はいかがでしょうか?
少しでもお役に立てれば幸いです。
今後もこの調子で頑張れ!と思われた方は、こちらをクリックして人気blogランキングに一票を投じてください。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

オフショア開発の発注形態

日本の立場から中国オフショア開発を考えたとき、中国ベンダへの発注形態は大きく二つに大別される。

1.自社から直接中国ベンダへ発注
2.国内の協力会社を経由して間接的に中国ベンダに発注

●発注形態を使い分ける

1.直接発注形態

自社が中国ベンダと直接契約する形態はさらに3つに分類される。

・ブリッジSE配置型
・コーディネータ配置型
・直接対応型

当社が推薦するのは、2番目のコーディネータ配置型である。

2.間接発注形態

協力会社を経由する形態も3つに分類できる。

・中国ベンダの日本支社を活用
・中国ベンダを子会社として持つ日本企業と連携
・中国と資本関係を持たない協力会社を活用

間接発注では、2つの取引形態(契約)に大別される。

・協力会社と中国ベンダが2社間取引
・自社も交えて3社間取引

●メリット/デメリット

中国オフショア開発には、直接と間接の二つの発注形態がある。それぞれのメリット、デメリットを理解して、プロジェクトの条件にあった適切な選択を行おう。

直接発注
<メリット>
・低コスト
・ノウハウ蓄積
・中国進出への足がかり

<デメリット>
・発注責任、リスク、作業負担を負う
・設計/テストに責任
・人員・リソース確保
・仕様管理
・品質管理
・輸出管理

間接発注
<メリット>
・負担軽減
・リスク回避

<デメリット>
・協力会社の力量に大きく依存
・下請構造によるコスト増
・空洞化


中国人ブリッジSE配置
<メリット>
・言葉や文化の壁を吸収
・中国側のコミュニケーション負担低減

<デメリット>
・個人の力量に大きく依存
・優秀なブリッジSEの人材不足
・中国側にライバル出現の疑念を持たれる

日本人コーディネータ配置
<メリット>
・日本の商慣習や業務知識がある/利用者の視点を持つ
・日本人設計者の負担軽減
・自社にて人材育成が可能

<デメリット>
・言葉や文化の壁
・優秀なコーディネータの人材不足

今回の記事はいかがでしょうか?
少しでもお役に立てれば幸いです。
今後もこの調子で頑張れ!と思われた方は、こちらをクリックして人気blogランキングに一票を投じてください。

| | Comments (1) | TrackBack (0)

日本の常識はどこまで通じる?

●日本と中国は当たり前のように文化や人の思考方法が違います

IT分野に限定しても、これは果たしてどうなんだろう?という疑問が次から次へと湧いてきます。特に怖いのは、私たちにとって「これは常識の範疇でしょう」について、中国側に疑問や不信感を抱いたときです。

「ドキュメントは日本語だろうか?」

「性能テストはどこまでやってくれるのだろうか?」

「中国企業はOracle製品を持っているだろうか?」

「オープンソースの無料ソフトを使って構築した方がトータルのコストは抑えられるのであろうか?」

このような疑問を感じたとき、あなたならどうしますか?

そんなことを考える暇があれば、次の設計や製造工程に進みますか?

考えるより先に行動しますか?

それとも、疑問をすべて明らかにしてから次に進みますか?

日本にあわせて中国側は最大限譲歩すべきだと考えますか?

本当にそうでしょうか?

・・・

●ただ質問する、感じたことを即座にフィードバックする

こんなとき、当社では遠慮なく中国企業に質問をぶつけることをお勧めします。

中国人SEを相手にするとき、質問のやり方にはちょっとしたコツがあります。例えば、


・主語を省略しない (あなたは主語を省略してはいけません)
・結論を先に書く (それは○□です。なぜならば、・・・)
・最後にも結論を書く (最後に要点を繰り返します。1.・・・)
 …………

中国企業は聞かれたものは何でも答えてくれます。私の経験上、単に「答える」だけではなく、それ以上に何にでも「応えてくれる」という姿勢をアピールしてきます。これは本当に気持ちがいい。

相手を格下の下請業者ではなく、これから私たち日本企業と対等に取引するパートナーとして扱っている態度を示す方が望ましい結果が得られやすい。

そうすれば、きっとよい関係が構築されるはずです。なぜなら、彼らは日本から受注量を得るために本当に必死だからです。

その上、中国人はメンツを重んじる人種です。

私たちはそのメンツを上手に利用しようではありませんか。彼らは、できないことを素直に「出来ません」とは言いにくい性格の持ち主です。多少無理なことであっても、こちらが真剣に悩んでいると思いがけず、無理な条件を飲んでくれることがあります。

お客A「この納期ではいくらなんでも厳しいのでは」
中国人「いやっ。一度出来ると判断したので絶対にやります」

お客B「うちの業務は難しいから、中国人には理解できないのでは」
中国人「最初の1ヶ月は勉強期間として無料として提供します。お客さんの隣にエンジニアを2名置かせてください」

●中国を意識しすぎない

中国人SEと上手に付き合うコツを一つ紹介します。せっかちな方、考えるより先に行動する方人、そういう人は気をつけたほうがいいです。

あなた:「○○の件、大丈夫ですか?」
中国人:「はい、はい、分かりました。大丈夫です」

この返事を聞いた人は特に要注意!

電話でこのような返事が貰えたからといって、100%安心するのは早計です。特に初めて取引をする相手とは、電話を主なコミュニケーション手段として使ってはいけません。必ず、メールと専用帳票を併用したQA連絡を心がけてください。

そして、必ずコミュニケーションの記録をとって下さい。

IT分野では、中国人がよく発するセリフの中で、私たちの常識で判断するとつい誤解してしまうような危ないものがあります。このような危ないキーワードに出会ったときには、当社が推奨するコーチングのスキルを活用してその場を切り抜けましょう。

例:安請け合いされたと感じた場合
 ⇒「この仕事は○月×日から始められますか?」
 (納期日を約束するよりも、開始日を約束するほうが効果的)

●最後に少しだけフォローします。

ほとんどの中国企業はモチベーションが高い。技術的な分野では一般の日本人プログラマーよりもずっと優秀だといえます。だからこそ、私たち日本の発注側が100%真剣になって中国オフショア開発に取り組まないと、かえって痛い目にあうことになるでしょう。

このことを肝に銘じて、中国ベンダとWin-Winの良好な関係を築いていただきたい。

今回の記事はいかがでしょうか?
少しでもお役に立てれば幸いです。
今後もこの調子で頑張れ!と思われた方は、こちらをクリックして人気blogランキングに一票を投じてください。

| | Comments (0) | TrackBack (1)

中国オフショア開発の正しい始め方

初めての中国オフショア開発では80%失敗を覚悟しなさい。
ただし、100%万全の準備を怠らないこと。

●なぜか若手SEが担当する中国開発

今回のメッセージは「中国企業を必要以上に警戒せよ」という意味ではありません。むしろ、日本の発注側の心構えについて言及し
たものです。

当社が中国オフショア開発のコンサルティング依頼を受ける際、ほとんどの企業では比較的リスクの少ない試験プロジェクトを用意しています。

「やはり、中国にいきなり本番のシステム開発を発注するのは危険ですよ。まずは社内システムであまり重要ではない案件で試したい」

私もこの考えに賛成です。

ここで、ひとつ注意してほしいことがあります。
それが「初めての中国オフショア開発では80%失敗を覚悟しなさい」です。

実際のシステム開発の現場では、相手が中国人だからといって、発注条件や開発工程が大きく変わることはありません。なのに、なぜか中国オフショア開発リーダーとして経験の浅い若手SEが担当させられることがあります。

不思議ですね。

中国オフショア開発への取組みがこれからの会社の業績を左右するとの自覚を持ちながら、一方では社員教育を施すかのような感覚で未熟な社員中国開発の担当者として任命します。

●中国人は怖い?

日本のシステム開発の現場では、過去に中国技術者との付き合いで何らかのトラブルを経験していることが少なくありません。それゆえに、私たちは中国と聞いただけで、何か腫れ物に触るかのような感じを覚えます。

いかがでしょうか、心当たりはありませんか。

このような背景から、私たちは自然に中国オフショア開発から距離を置きたくなる気持ちがうまれます。

その結果、せっかくトップの経営判断として中国活用の方針が打ち出されたとしても、現場レベルでの対応が後手にまわっているような印象が否めません。

いったい何が私たちをそこまで不安に陥らすのでしょうか。
その原因とは何でしょうか?

・・・

その答えは「言語以上のギャップ」が存在することにあります。

日本語と中国語が通じないことを指摘してるのではありません。ここでは、日本人SEの常識や観念と中国人SEのそれとがうまく合致しないことが多いことを指摘しています。

私たちが注意すべきは、コミュニケーションの取り方です。

●言語コミュニケーションと非言語コミュニケーション

私たちのコミュニケーション手段は、言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションとに大別されます。コミュニケーションの手段を思いつくままに考えると、次のようなものがあげられます。

文字情報(コンテンツ)、声の大きさ、高さ、抑揚、スピード、表情、目の動き、体の姿勢、手の位置、足の組み方、、、

どれが言語でどれが非言語のコミュニケーション手段に相当するかは他の情報源を参照してください。

私たちは言語を主体としたコミュニケーション手段にどれくらい依存していると思われますか?

一説によると、

・言語コミュニケーション  30%
・非言語コミュニケーション 70%

だそうです。

中国オフショア開発では、特別な訓練を受けていないコミュニケーションの素人が何の準備もないまま現場に放り込まれます。

ここに、多くの日本人が中国オフショア開発を敬遠する本当の理由が隠されています。

今回の記事はいかがでしょうか?
少しでもお役に立てれば幸いです。
今後もこの調子で頑張れ!と思われた方は、こちらをクリックして人気blogランキングに一票を投じてください。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

中国人SEの行動パターンを理解する

中国人SEの観念に戸惑う

私は海外システム開発の分野でコミュニケーションを支援するコンサルテーションサービスを提供しています。特に日本企業と中国企業との間で発生するトラブルを専門的に扱っていますが、IT技術者の「性格」でいつも頭を悩ませています。

ある研究によると、人間の「気質」を変えるのは困難だが、「性格」は変えることはできるらしい。この場合は、「気質」と「性格」を同一視しないのがポイントになります!

私たちの性格は、次の三層で構成されています。

  第一層(中心部)「気質」
第二層(真中部)「環境性格」
第三層(外側部)「役割性格」

外側部の役割性格をもう少し詳しく説明すると

人は、学習や努力、それに立場によって“自分はこうありたい”、“周囲からこう思われたい”と心に願う像があり、その理想像に近い性格を演ずるようになります。そして、演じ続けるうちにでき上がった性格を「役割性格」と呼びます。

この話は、メルマガ「がんばれ社長!」からヒントを得たのですが、「まさにその通り!」と膝を打ちました。

私は、もう少し優しい言葉を使って、同じことを表現しています。

「性格はかえられないが、行動パターンはかえられる」

この場合は、「気質」に相当するのが「性格」、「役割性格」に相当するのが「行動パターン」だと置き換えてください。

ちなみに「役割性格」は「観念」に相当するものと思ってください。カウンセリングや心理学の分野では、「観念」のことを「人生脚本」と呼ぶことがあります。

ようやく、話を中国オフショア開発に戻します。

私たち中国オフショア開発の世界では、「役割性格」の影響がこんな場面で現れます。


 中国人:「プログラムが完成しました」
 日本人:「でも、エラーが残っているよ」
 中国人:「はい、まだテストしていませんから」
 日本人:「・・・・・・」

 日本人の観念=
  プログラム完成はエラーがすべて無くなった状態だ。
  これだから中国人は信用できない。

 中国人の観念=
  プログラム作業とテスト作業は異なる工程である。
  「プログラム完成」と報告して何が悪い?

このような小さなコミュニケーションのギャップが引き金となって、プロジェクト全体が破綻することがよくあります。

実は、中国企業との共同プロジェクトが失敗する原因は、ほとんどがこのような意思疎通の不具合にあるといえます。


判断のモノサシの違い確認する

前出の性格の話には、次のような続きがあります。

学習すること、成長することにどん欲であればあるほど一番外の性格、つまり「役割性格」が進歩する。その反面、学習も成長も乏しい人は、限りなく「役割性格」が薄っぺらいものとなり、「気質」の通りの人間にとどまっている。

お分かりでしょうか。
つまりこういうことです。

人間の「気質」や「環境性格」を後から変えるのは非常に難しい。

そこを無理やり捻じ曲げるのが怪しい新興宗教や悪徳セミナーが行なう洗脳やマインドコントール。だからこそ、私たちが成長するためには「役割性格」(行動パターン)に着目するのが手っ取り早い。

私は日ごろから次のように心がけています。

 ・自分の「観念(役割性格)」を知りなさい
 ・相手の「観念(役割性格)」を知りなさい
 ・そして相手に合わせた最適な行動パターンを選択して最大の価値を得なさい

これと同じことは、一般の利用者とSEが会話する場面が多いシステム開発の世界にも当てはまります。

特に中国ソフトウェア開発の現場ではかなり有効な交渉術として機能しています。
開発の現場でよく見かける過ちの一つに、日中の担当者が互いの観念を主張し過ぎることが挙げられます。

次の例をご覧ください。


日本人プロジェクトマネージャが中国人SEに進捗報告を促す場面。

日本人:「調子はいかがですか」
中国人:「順調です」

日本人の本音 = 本当はかなり遅れているのでは・・・
中国人の本音 = 最後には帳尻をあわせるので問題あるはずがない

この例では、双方で合意した基準がないままプロジェクトを進めてしまったようです。

つまり違う土俵で会話をしています。
運悪く別のトラブルが併発すると、最後には感情レベルの言い争いに陥ってしまうこともあります。

喧嘩の状態になると、中国人SEが頑固になる傾向が強く何を聞いても

 「大丈夫です/順調です/問題ない」

としか応えない者もいるくらい。

そうなる前に手を打つのが優秀なプロジェクトマネージャーの務めですが、実際はなかなかそうもいきません。

で、上記ケースの結論はどうなるのかというと、日中両社の役員が登場して雲の上の話し合いで決着をつけました。

しかしながら、すべてのケースで事態が丸く収まるはずがありません。

上記以外にも似たような事例は後を絶ちません。

そして多くの場合には、日中双方の担当者に消えがたい傷跡だけが残ります。

| | Comments (5) | TrackBack (0)

中国アウトソーシングの可能性

中国オフショア開発に限らず、アウトソーシング全般について考えてみましょう。中国へのアウトソーシングビジネスは、大きく二つの種類に大別されます。

1. エンジニア派遣モデル
2. サービスプロバイダーモデル

日本の大手ベンダーが好むのはエンジニア派遣モデルですが、これからは、むしろ欧米やインドで主流となっているサービスプロバイダーモデルが有力になると予測しています。

サービスプロバイダーとは、受託開発にとどまらず保守運用を手がけたり、さらに付加価値のある業務サービスを提供する業種のことを指します。

 フルアウトソーシングサービス
 総務/人事サービス
 テクニカルサービス
 調査会社
 ロジスティクスサービス
 コールセンターサービス
 ・・・

しかしながら、現在の中国ソフトウェア産業における人材分布を鑑みると、日本で一般的に行われる平均的な人材を必要とするシステムインテグレーション業務を確立するには、もう少し時間がかかりそうです。

なぜなら、中国の研究者やプログラマが一丸となって、一つのプロジェクト目標を達成するには、まだまだ個人の協調性が成熟しているとは言い難いものがあるからです。

その一方で、サービスプロバイダーの分野は、ごく少数の精鋭の人材と普通の保守運用系のエンジニアの組み合わせでも十分に成り立ちますので、中国市場の動向に歩調を合わせながら伸びていくのではないでしょうか。

一足先に中国進出を果たした製造業では、国際的なサプライチェーンマネジメントシステムを軸にして、経済レベルの上位国でルール作りを行い、下位国では生産を行いつつマーケットを形成していくことが成長モデルとなっています。

将来的には、わが国のソフトウェア業界でも、単純な受託案件を中国オフショアで開発するだけではなく、自社製品を中国市場で販売したり、他製品と連携させるなど様々な可能性を探りながら展開していくべきでしょう。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

ブリッジSEとは

オフショア開発では、大規模なプロジェクトを通じて、大幅なコストダウンを狙います。ところが、単に費用削減を狙ったオフショア開発では、期待するほどの効果があがらなかったり、社員の定着率の悪さから事業継続が困難になるという事態が発生します