琉球大学APITT
今朝は、普段からお世話になる琉球大学APITTに顔を出して、講義以外の話題で盛り上がりました。私の知らないところで、地域密着型の活動が進められていました。頼もしいです。
今日の午前は沖縄県庁でいつもの件で打ち合わせ。
午後も引き続き沖縄県庁ですが、話はがらっと変わります。知人の紹介で興味を持った、沖縄の高級果物をネット販売しているサービス業者を沖縄県の物産関係者に引き合わせます。
沖縄産高級果物の有力な仕入れ先を探しているそうです。南国臭いパッションフルーツなんていかがでしょうか。親戚の庭に青い実がぶらさがっていました。収穫はだいぶ先でしょうが。
オフショア教科書執筆チームでは、発注側の立場から「切り出し」の判定とリスク評価を議論しています。
いま私は沖縄出張中です。こちらでは、オフショア受託企業の立場から、「危ない案件」を事前に察知する方法が求められています。
オフショア受託のリスクアセスメント技法です。
経営的な視点、PMの視点から、危ない兆候を出来るだけ早い工程に察知したい。もし可能なら、見積もり段階で受託企業なりのリスク評価手法を完成させたいとの希望があります。
オフショア開発の「危ない案件」とは、ほぼ間違いなく上流工程に問題の種が埋め込まれています。フィナンシャルタイムスによると、仕様バグやプロジェクトマネジメント不全だけではなく、ガバナンスやコンプライアンス違反の問題が見落とされがちとのことです。
先日、東京でお会いした岡崎邦明さん(Global Bridge, Inc)は、担当者同士の相性診断によってプロジェクト成功率を高めているとのこと。
ネタバレするとよくないので、そのユニークな発想の詳細は、もうすぐ公開される日経BPのWeb連載記事をご覧ください。公開され次第、別途案内します。
短期出張者の受け入れ方針
あなたは、3か月の予定で中国人出張者の面倒をみることになりました。出張者はあなたより年下、日本語はたどたどしい上に、今回が初来日です。あなたの指導方針は、下記のどれに近いですか?・自由放任 ( 3票) 6%
・職場で淡々と (10票) 19%
・職場で丁寧に (28票) 52%
・休日も (12票) 22%
・その他 ( 1票) 2%
(読者アンケート中間結果)
現在私たちは、PM・PMO 向けにオフショア開発推進のための業界標準となる教科書を執筆しています。今年8月に店頭に並ぶ予定です。
先週から、オフショア教科書執筆チームでも「出張者の受け入れ」について議論を始めました。すると、実務者の間から、これでもかと言うほど大技小技が報告されました。
そのうちの一部を紹介します。
●休日もアテンド派
・勤務中に土日の予定をさりげなく聞いて、その予定に相乗りさせてもらいます。
日本人:「今週末何しますか?」
外国人:「東京タワーに行こうと思っています」
日本人:「じゃあ、一緒に行きましょうよ」
・短期滞在者の場合、携帯電話を持っていないこともしばしば。待ち合わせ場所の地図は印刷して渡してあげること、待ち合わせ場所の近くに公衆電話があること、自分は絶対遅刻しないこと。
●マナー教育をしっかり
・ゴミの出し方、深夜の騒音防止、近隣住民との挨拶
・電車通勤に際して、シルバーシートや携帯電話の使用不可
・インド人に対しては、男同士で手を繋いで歩かない
●災害対策
・日本に始めてくる外国人は、地震に動じない日本人にビックリします。地震がない地域から来た人には、外国人向け災害対策パンフレットを用意してあげると良いと思います。
ひとくちに外国人出張者の受け入れと言っても、その対応は様々。政府筋にも顔が利く大物役員の受け入れと、右も左も分からない若手ブリッジSE候補者の受け入れは、まるで違います。
この種の議論では、暗黙のうちに「自分よりも年下で、自分よりも貧乏で、技術はあるけど社会経験が乏しい出張者の受け入れ」を想定します。
■問いかけ
「自分よりも年下で、自分よりも貧乏で、技術はあるけど社会経験が乏しい外国人出張者」
今週末、あなたは、上記特徴を満たす複数の中国人ブリッジSE候補を東京の街に連れ出す約束をしました。行き先は、あなたが考えます。
オフショア教科書執筆チームのTさんによると、都心散策では「有名」かつ「お金がかからない」場所に誘うのが彼らの満足度を高める秘訣です。
以下の候補地のうち、中国人出張者(短期・初来日)に喜ばれる可能性が高い無難な場所はどれでしょうか。逆に、好みが分かれるため、避けた方がよいと考えられる場所はどれでしょうか。それぞれ理由と共にリストアップしなさい。複数選択可。
<東京向け>
・東京ドーム
・築地市場
・東京国立博物館
・浅草寺
・東京ミッドタウン
・月島もんじゃストリート
・六本木ヒルズ
・東京タワー
・皇居
・秋葉原
・東京都庁
・渋谷NHKスタジオパーク
・日本武道館
・三鷹の森ジブリ美術館
・東京ジョイポリス
・国会議事堂
・しながわ水族館
・新横浜ラーメン博物館
・池袋餃子スタジアム
・大江戸温泉
・上野動物園
・主要顧客の本社ビル(大手顧客)
・銀座の地下街
<沖縄向け>
・首里城
・美ら海水族館
・国際通り
・沖縄県庁
・嘉手納飛行場
・リゾートビーチ
・仲田幸子お笑いショー
・糸満摩文仁の平和祈念公園
・沖縄IT津梁パーク
・泡盛蔵本めぐり
回答例:六本木ヒルズはダメ。高すぎて小龍包すら買えないから
※答えそのものよりも、答えを導き出すプロセスと理由が重要です。
NHKスペシャル「35歳を救え」には、いろいろ考えさせられました。当番組では、日本を支えた終身雇用が崩壊し「35歳世代が日本経済浮上の鍵を握っている」との前提で、現状分析と打ち手の提言がなされました。
今後20年に渡って社会の中核を担う35歳1万人にアンケートを行い、「20年後の日本」をシミュレーションしたところ、中間層の崩壊が急加速することが明らかになった。これからの日本を支える今の30代が安定した収入を得られず、家庭や子供を持てないと、税収や消費が落ち込む一方で福祉コストが嵩む超コスト負担社会になり、日本は衰退を免れない。 ・・・(中略)・・・ 「大失業時代を」をどう乗り越え、将来に希望が持てる日本を創るか、徹底取材を元に解決への道を探る。 http://www.nhk.or.jp/special/onair/090506.html
私は2つの立場から番組を観ました。
1.グローバル人材育成機関の運営者
2.沖縄県情報産業推進アドバイザ(アジアOJTセンター運営者)
現在執筆中のPM/経営者向けオフショアマネジメント教科書でも、長期雇用を前提としないオフショア開発モデルの必要性をうたっています。かといって、半年ごとに放浪を繰り返すようなフリーランス技術者だけのチーム編成では、日本型「商い(あきない)」を支える情報システムの請負開発は成り立ちません。
巷で騒がれる「ダイバーシティ(多様性)マネジメント」や「ワークライフ・バランス」は、今のところ単なる綺麗事に過ぎません。グローバルソーシング・レビュー2009年5月号では、「ダイバーシティ(多様性)と日本的モノつくり」は相反すると論じました。
日本的モノつくりの世界では、部門の壁を越えて擦り合わせをし、従業員が自律的に動くことで最高級の品質を目指します。実際には、部門の壁どころか、企業の枠を超えて「系列=多重下請け構造」を形成し、正社員と請負業者・派遣労働者が一体となって、一つの目的に邁進します。性善説に基づく企業への忠誠心が土台となって、「あうんの呼吸」が通じる空気の中で長期間かけて持続的改善を繰り返します。トヨタ式カイゼンに関連するビジネス書には、数十年にわたり職人集団が小さな改善をコツコツと積み上げてきたことが延々と書かれています。こうした世界では「ダイバーシティ(多様性)」は不要でした。
「大量生産、大量消費」が美徳とされた高度成長期には、ダイバーシティよりも均一性、ワークライフ・バランスよりも三種の神器・マイカー・マイホームなど物質的欲求の確保が優先されました。加えて、多くの日本人従業員にとって、「会社で残業する時間」と「家族と過ごす時間」は、ほぼ等価値でした。これは、職場を「身内空間」と認識する近代日本の文化的特徴で説明されます。そして、こうした古き良き日本の風景は、現代の職場にも色濃く残っています。
NHKが報じるように、「転職経験がある」=66%、「会社が倒産するかもしれない」=42%に該当する35歳世代以下にとって、日本の職場は気のおける仲間と過ごす「身内空間」ではなくなりました。その上の世代にとって、職場メンバーは家族同然。20-30代にとって職場メンバーは空気が読めない「外の人」です。
当然ながら、現在の中国IT技術者も、職場を「身内空間(private space)」と見なしません。国営企業時代を過ごした年配中国人とは対照的な態度です。
さて、ここで議論を日本のオフショア推進組織に移します。
オフショア開発推進を迫られる大多数の日本企業は、右肩上がりの経済成長を前提とした企業観・人材観・マネジメント観に支配されています。そこでは、コツコツと持続的改善を重ねれば、必ず未来の成果が約束されます。なぜなら、社会全体が安定して右肩上がりに成長するからです。
NHKスペシャルの取材によると、今の35歳世代(と若い世代)の約7割は、今後どんなに頑張っても給料は上がらないと考えています。これは、日本企業における人材育成方針(丁稚奉公)の崩壊を意味します。すると、職場で長期間コツコツと持続的改善を繰り返すインセンティブが失われます。
ワーキングプアや3K職と揶揄される35歳世代と若い世代の日本人IT技術者は、職場から十分な外的報酬が得られないのに、外野からは「社会性がない」「コミュニケ―ション能力が劣る」「自己責任の報いだ」などと非難ごうごう。かたや、中国やベトナムの若いプログラマに目を向けると、仕事内容は同じなのに達成意欲旺盛で活力に充ち溢れています。無気力で希望が持てない日本人従業員とは対照的です。
こうした現状を踏まえた上で、私達は新しい時代にマッチしたオフショア開発の事業モデルを構築しなくてはいけません。新しい時代とは、下記を前提条件として受け入れる環境です。
・現状維持、ないし、長期衰退もあり得る日本経済とIT投資環境
・35歳世代の3分の2は「転職経験あり」という終身雇用の崩壊
・日本人/男性/正社員による長期間の持続的改善が困難な環境
話をNHK番組に戻します。
NHK取材班は、“35歳”を救え あすの日本 未来からの提言として「積極的雇用政策」を取り上げました。英仏と岡山県過疎化地域の取り組みを引用して、再雇用教育支援、生活支援、ならびに子育て支援の考察を示しました。
これまで大都市一極集中により世界最高水準の経済成長を成し遂げた日本にとって、NHKの提言は国家統治の大転換を迫る可能性を示唆します。いわゆる資源配置の見直しです。ポートフォリオの組み直しと換言することもできます。
・衰退産業から成長産業への人員配置を促進(再雇用教育の充実)
・大都市から過疎化地域への人口移動を促進(生活支援)
・老人福祉から子育て支援への予算移動(国家支出の配分見直し)
・終身雇用を謳歌する40~50世代から、ワーキングプアな若手世代に人件費や福利厚生費を再配分する(報酬制度の見直し)
この4つは、それぞれが独立するのではなく、互いに有機的に連携するのが効果的です。例えば、公共工事が減って衰退する都会の建築現場の派遣労働者が、介護福祉サービス分野での再雇用を目指して公的機関でトレーニングを受ける。再雇用教育終了後は、過疎化地域に移住して、成長産業の老人介護サービスに従事する。
これまでは地方自治体が負担した福祉予算を、国もしくは道州単位で一元的にプールします。同様に、再雇用のためのトレーニング、移住負担や生活支援も、国や道州が一元的に管理します。国家全体でポートフォリオ管理を変革するためには、形式的な統治機構だけではなく財源の一本化も必須です。
経済学者の池田信夫氏は『ワーキングプアを労働市場から排除する「団塊世代の既得権保護」を批判する意見が圧倒的に多い』として、雇用形態ポートフォリオを再構築(=解雇規制の緩和)を強く主張します。
人事コンサルタントの城繁幸氏も『原資増加分の分配から原資全体の再分配にシフトする』ことによって、35歳ワーキングプア世代を救うための報酬システム再構築案を提言します。
私は、日本国憲法が保障する権利を守るために、社会保障などのセーフティーネットは国家予算で負担すべきだと考えます。その一方で、地域活性や富を生み出す分野については、道州単位に予算と権限を委譲すべきだと考えます。
つまり、日本中どこで医療・介護・子育てサービスを受けても、国の税金で負担する(現行は地方自治体負担)。日本中どこで失業しても、再雇用教育と最低限の生活支援は国が面倒を見る。一方で、道州(県)では予算分配よりも富の創造(全体のパイを大きくする)に着目し、衰退産業への施しをやめてイノベーション(人的流動、情報流動、資金流動)の創出を積極支援します。
実は、上記の考え方は「オフショア開発」のプロジェクト統治機構の設計にも応用できます。今までプロジェクト現場に丸投げしてきた部分をPMOで全体統治する一方、無駄なばらまき的運営を見直して成長分野に資源をシフトする仕組みを作ります。プロマネの権限を強化する一方、プロマネ全能主義を見直します。以下、ヒントを列挙します。
・衰退部門から成長部署への人員配置の促進
・オンサイト開発からオフショア発注比率向上(国内分散を含む)
・擦り合わせ&持続的改善から、標準化&多様性導入へ転換
・プロジェクト直接費への予算配分を高める
この続きは、執筆中の新刊オフショアプロジェクトマネジメントPM編(今年夏出版予定)に詳しく書きます。
沖縄県庁を訪問して、完成間際のソフトウェアパーク(軟件園)、正式名称「沖縄IT津梁パーク」の設備基盤に関する詳細説明を受けました。
中核機能支援施設のA棟はほぼ完成です。A棟に隣接するB棟は工事着工間際とのことでした。
今年6月にはA棟が完成します。A棟には、私が直接関与するソフトウェア開発部隊と人材育成事務所がそれぞれ入居します。これまで沖縄IT人材育成の「青写真」や「プラン」といった抽象的な言葉を使ってきましたが、いよいよ具体案の検討に入りました。
オフショア大學(沖縄校)
“オフショア大學”とは、私が主宰する私的な営利団体のブランド名です。これからも補助金や税金に頼らない事業体として持続的に活動しますが、徐々に公的な役割を担うようになってきました。
オフショア大學(沖縄校)
でも、少し出しゃばり過ぎかしら。かっこ「おきなわ」かっこ閉じという名称では、沖縄を軽んじる印象を与えかねません。また、あまりにも沖縄と“オフショア”のイメージが乖離するようであれば、別の新しい名称を考えます。
沖縄IT津梁パーク大學
沖縄情報大学
いや、ITや情報から距離を置いた方が落ち着いたよいネーミングになるかもしれません。要検討です。
・・・と勝手に盛り上がる私。
昨夜から、私の地元沖縄出身の無名女性歌手にはまっています。無名歌手といえば失礼かしら。NHK紅白歌合戦への出場経験をお持ちのはずなので。
石嶺聡子
沖縄の歌姫業界では、夏川りみが頭一つ抜きんでています。
私の見立てによると、歌唱力なら石嶺聡子の圧勝、でも大衆芸能的パフォーマンスなら夏川りみの圧勝。
個人的には、亜波根綾乃がベスト沖縄歌姫ですが、20世紀で活動がピタッと止まってしまいました。残念さびら。
今回、安室奈美恵、Kiroro、Cocco、仲間由紀恵、新垣結衣、SPEED、宮里藍らは沖縄歌姫候補から漏れてしまいました。でもみんな応援しています。
沖縄の伝統風習の一つ今年のムーチーは、例年よりも早く1月3日でした。どうりで今年の沖縄の正月は寒かった・・・、と納得。
あの月桃の葉の香りがたまりません。といいつつ、私はひとくち食べれば十分満足です。ごちそうさまでした。
ところで、去年もムーチーネタで同じように書いた気がします。念のため調べてみたら、やっぱりありました。
2008/1/16 むーちーびーさ
内地の人に「むーちー(鬼餅)」の由来を教えたら、ビビられました。詳しくは検索して調べてみて。沖縄好きのあなたは、名著『沖縄の艶笑譚』をご覧あれ。
年越しは沖縄ソバ。
元旦は豚肉とほうれん草が入ったお雑煮、田芋(ターンム)の田楽、くーぶいりちー(切り昆布の炒め煮)、そして、紅白のかるかんと味噌味のナントゥー餅。
おやつには、隣の比嘉さん家から貰ったシークァーサー果実入りの熱い紅茶でほっと一息。
沖縄の実家の庭にはパパイヤの木が3本あって、うち2本にはたわわに実がぶら下がっています。1本は収穫し尽くしました。
うちでは、冬瓜とパパイヤ、そして大根の三種は全く同じ役割を果たします。果物パパイヤの流れを汲んだ種なので、熟したパパイヤは煮物の具材としては不適当。豚肉を軟らかくするために庭のパパイヤを一緒に煮るそうです。酢豚にパイナップルが入る理屈と同じだ。
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