オフショア委託国の調査票

「チャイナ・プラス・ワン」はソフトウェア業界でもお馴染みとなった経営用語です。

オフショア開発に馴染んだ大手企業や小回りの利く一部の中小企業では、ベトナムの次の次を見据えたオフショア拠点づくりを検討しています。

よって、「なぜ今さらチャイナ・プラス・ワン?」と訝しむ読者も少なくないはずです。

ところが、世の中には、オフショア開発どころか持ち帰り外部委託ですらままならないソフトウェア企業がたくさんあります。

ある会社のソフトウェア部門では、数年前にいくつかの海外オフショア企業を調査しました。対象国は中国、ベトナム、インドの三大オフショア委託国。

そして今年、改めて海外オフショアの最新動向を調査することになりました。理由はチャイナ・プラス・ワンへの対応です。対象国は前回の三カ国に加えてフィリピン、ミャンマー、その他を考えています。


■ 問いかけ

<問1>あなたは、会社トップから「チャイナ・プラス・ワンに対応するため次世代オフショア委託候補国を調査せよ」と指令を受けました。

中国、ベトナム、インド、フィリピン、ミャンマーの五カ国が調査対象です。

トップからは「PowerPointスライド1枚」にまとめるよう指示を受けています。あなたなら、どうまとめますか?

問いかけのヒントはオフショア大學公式メールマガジンに記載されています。

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春節休暇にあえて求人広告を出す会社

中国でひっそりとオフショア受託業務を営む知人から聞いた話より。


先週から中国では旧正月の長期休暇に入っています。

近年、日本のマスコミでも都会から地元に帰省する中国人でごった返す人民大移動を面白おかしく伝えるのが年中行事となっています。

中国沿岸部の大都市から数百キロメートルも離れた地方都市に進出したある対日オフショア受託企業では、春節休暇に入るちょっと前から日本語人材を募集する求人広告を仕掛けます。しかも毎年のように繰り返し募集します。

そもそも、この地域に日本語人材はほとんどいません。しかも集中的に広告を出す時期は春節休暇に入る少し前なので、都会から帰省する地元出身者の目にとまる機会もありません。


■ 問いかけ

<問1>なぜ、この会社では毎年のように春節休暇に入る少し前から日本語人材の求人広告を出すと思いますか。その目的と費用対効果を予想しなさい。

例:緊急募集ではなく知名度向上のためのPR活動が目的。求人としての費用対効果は極めて悪いが、マーケティングとして考えれば長期で元が取れる。

ヒント→ オフショア大學メールマガジンに掲載

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専門家の知識と実践のギャップ

最近聞いた専門家の話より。

中国には中国独特の人材育成のキモがあります。

ある中国ビジネスコンサルタントの大城さん(仮称)は、日本で多くの社内研修・中国赴任者支援を実績を上げてきました。ところが、いざ自分が上海に赴任することになり、現地で最高責任者を務めることになると、これまでの指導内容が中国人部下の指導にあまり役立たないことに気づきました。

日本では「中国専門家」で名が通る大城さんでしたが、恥ずかしながら、上海赴任当初は次のような失敗を犯してしまいました。

社内のキーパーソンを集めた幹部研修にて。

「まず、皆さんの問題を取り上げてみましょう」→反応◯◯◯◯に比嘉さんは驚く!

「では、この課題について自分で考えてみましょう」→反応◯◯◯◯に比嘉さんは再び驚く!

「一人ひとりがリーダーシップを発揮しましょう」→反応◯◯◯◯に比嘉さんは開いた口が塞がらない


出所:BBT(2016)、組織人事ライブ 622:中国現法現地化のための人材育成

■ 問いかけ

社内研修で最高責任者が投げかけた以下の問いかけに対して、現地の中国人幹部はどう反応したでしょうか。それぞれのケースを予想しなさい。

<問1>「まず、皆さんの問題を取り上げてみましょう」
<問2>「では、この課題について自分で考えてみましょう」
<問3>「一人ひとりがリーダーシップを発揮しましょう」

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手戻り覚悟で見切り発車

オフショア大學受講者より。

当社は中国パートナーにオフショア開発を出しています。これまで大きな問題はありません。あえて1つだけ気になる点を挙げるなら、中国側は「手戻り覚悟」で見切り発車する傾向があることです。スピード感覚の違いといえばそれまですが、他社でも同様な傾向はありますか? それともうちのリーダーの個性でしょうか?

■ 問いかけ

<問1>以下は一般的な中国人エンジニアの特徴を説明した文章です。選択肢から最も正しい説明を1つ選びなさい。

一般に中国人エンジニアは
(a) スピード感を重視するため、手戻りはあまり気にならない
(b) 手戻りのリスクを感じたら、見切り発車したがらない
(c) 見切り発車したがるが、それは手戻りのリスク管理が甘いから

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経済は中低速なのに

先週、上海と江蘇省にあるいくつかのオフショア開発企業を訪問してきました。そこで、いくつかの新しい情報を入手し、いくつかの既存情報を更新しました。

・人件費の最新動向
・人材流動の最新動向
・転職先の選択肢増加
・不動産価格上昇が与える影響

■ 問いかけ

<問1>2015年から中国経済は中低速モードに切り替わっています。ではここ1年間、ソフトウェア技術者の賃金はどう推移しているでしょうか。
(a) ほぼ横ばい
(b) やや上昇
(c) 大幅上昇(3-4年前と同じ)

<問2>上海とその周辺地域(江蘇省と浙江省)で、ここ1年間のうちに最も不動産価格が上昇した地域はどこでしょうか。
(a) 上海
(b) 蘇州
(c) 無錫
(d) 南京
(e) 杭州

<問3>上海や周辺地域では、社会の発展に伴い技術者の転職先の選択先が増えています。2016年秋、ソフトウェア技術者の転職動向を分析しなさい。

<問4>上海と周辺地域の不動産価格上昇がオフショア企業に与える影響をいくつか挙げなさい。

■Hints:

<答1>(c)
<答2>(d)
<答3>セミナーにて詳細解説
<答4>セミナーにて詳細解説

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「必ず」と「絶対に」

オフショア大學受講者のご意見より。


私は日本で教育を受けた北京出身の中国人です。日本語による指示は曖昧になりがちだと思います。特に「指示の強さ」が中国人に伝わりにくい例をよく見かけます。例えば、講義で紹介された次の例文に、私は強く共感しました。

「ファイルを削除しないようにしてください」


講義では、指示や伝達はできるだけ「肯定文」に統一するようおっしゃっていました。中国人に対しては、さらに漢字を多用するとより効果的です。

「ファイル削除禁止」


さらに、次の2つの例文をご覧ください。

a.必ずファイルを削除してください
b.絶対にファイルを削除してください


日本人にとって、上記2つの文章はどちらも同じくらい強い指示だと思います。ですが、日本語能力 N3-N2 の中国人にとって、この2つの強さは異なる恐れがあります。


■ 問いかけ

<問1>日本向けオフショア開発で活躍する中国人技術者にとって、下記2つの指示はどちらがより強い印象を与えるでしょうか? 日本語能力は N3-N2 だと仮定します。

a.必ずファイルを削除してください
b.絶対にファイルを削除してください

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社運をかけたシステムなのに中国からデータ入力されない

ネットで見つけた興味深い中国ビジネス系の漫画を紹介します。

●中国から日本本社システムにアクセスできない!?

日本本社で2年の歳月をかけて CRMシステムを導入しました。肝入りのグローバルプロジェクトでしたが、稼動開始から半年たっても中国拠点からのデータ入力がほとんどありません。

現地に事情を問いただしたところ、『CRM 画面の表示が不安定なので、そのうち「データ入力しなくてもいい」と判断するようになった』と回答がありました。

ところが、日本本社の担当者はその回答が信じられません。

そこで、とある外部業者に問題の分析を依頼したところ、中国拠点からのデータ入力が滞る背景には、現地特有のIT課題があることが分かりました。

その課題とは・・・(答えは原文をご覧ください)

出所:中国ITにまつわる諸問題(IIJ) http://www.iij.ad.jp/global/challenge/chinait01.html


実は、上記のビジネス漫画は IIJ社の提案型営業コンテンツです。よって最後は単純なハッピーエンドを迎えます。とは言えさすがは漫画、視覚情報には多くの者を惹きつける魅力があります。

先に本誌による抜粋解説を読んで、次に引用元の漫画をご覧ください。文字のみの印象と漫画による視覚コンテンツの迫力の違いが実感できると思います。


オフショア大學でも、いつかは漫画を導入したいものです。


■ 問いかけ

<問1>肝入りでグローバルシステムを導入したのに、半年経っても中国拠点からのデータ入力が滞っています。その原因となる中国特有のIT課題を予想しなさい。


<問2>元の漫画では、中国特有のIT課題をどのように解決しようと試みるでしょうか。中国の通信事情を鑑みて、できるだけ具体的に解決策を予想しなさい。


<問3>たとえ、中国固有のIT課題(≒通信インフラ課題)が解決しても、現地スタッフにとって手間ばかり増える CRMデータの入力を促進するのは至難の業です。もし、あなたが中国拠点の統括責任者なら、現地のスタッフに快くデータ入力してもらうためにどう働きかけますか?

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元技能実習生は採用しない方針のBPO企業

オフショア大學では、技能実習制度の話題を扱ったことがありません。稀に飲み会で盛り上がることもありますが、オフショア推進部門の戦略系スタッフも基本的には技能実習生に興味を示しません。

なぜなら、オフショア開発業界では技能実習制度に頼る機会がないからです。

一方で、BPOと呼ばれる海外アウトソーシング業では、ときどき「技能実習生が夜逃げした!」などの噂話が流れます。表向きは、オフショア開発やITアウトソーシングを謳いながら、裏では技能実習生の仲介斡旋を生業とする業者はたくさんあります。


■ 問いかけ

中国大陸の某田舎でオフショア開発とBPOを営むある独立系ベンダーで聞いた話より。

この会社では、日本向けBPOのために常時、日本語人材を募集しています。大陸沿岸部の大都市とは異なり、この会社のある田舎では日本語人材は希少価値の高い即戦力人材だとみなされています。

この会社では、技術人材と日本語人材の仕事をうまく分離することで、従業員の高い離職率にも対応しています。

この会社が人材を募集すると、元技能実習生の日本語人材がときどき応募してきます。このような応募者は、かつて語学学校で日本語を学び、日本の職場で3年程度働いた経験を持っています。

ところが、この会社では、かつて日本で業務経験のある元技能実習生はあまり歓迎されません。


<問1>設問の中国BPO企業では、かつて日本で業務経験のある元技能実習生はあまり歓迎されません。一体なぜでしょうか?


<問2>中国のある田舎に進出した日系オフショア現地法人では、かつて日本で働いた経験のある元技能実習生を採用して、ブリッジSEとして育成したいと考えています。なぜなら、この会社では、技術と日本語業務を切り分けることができるからです。元技能実習生を採用して、ブリッジSEとして育成するリスクを分析しなさい。


問いかけの答はオフショア大學講座で発表します。公式メルマガでもHintsを紹介しています。

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今さらベトナムのメリット/デメリット

オフショア大學受講生との質疑応答より。
(Q. 受講生 A. オフショア大學講師)


Q.会社幹部に中国からベトナムへのシフト、すなわち、ベトナムへの発注比率を高めるよう提案したいのですが、どのようにアピールすればよいでしょうか。


A.現在、相談者の会社では中国発注が主流だと仮定します。提案のメリットとデメリットを併記して、実態をありのまま表現することを相談者にはお勧めします。

ベトナムシフトのメリット
・25%以上に安い人月単価
・発注先の多様化
・マンネリ解消、競争心を煽り中国側の対応改善に寄与
・選択肢増による新規需要の掘り起こし(社内営業)

ベトナムシフトのデメリット
・日本語力が劣るため、技術音痴の通訳に頼ることが多い
・信頼関係構築の手間がかかる
・ノウハウ移転の手間がかかる


■ 問いかけ

<問1>私の独断と偏見による「ベトナムシフト最大のメリット」を予想しなさい。


<問2>私の独断と偏見による「ベトナムシフト最大のデメリットを」を予想しなさい。


<問3>中国一辺倒のリスクを懸念する相談者の会社の経営陣に対して、あなたならどう提案しますか。相談者の立場になって助言しなさい。

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政治と宗教の話はタブー?

オフショア大學受講生との質疑応答より。
(Q. 受講生 A. オフショア大學講師)


Q.海外の方と会話する場合は、政治と宗教の話はタブーと聞きます。事実でしょうか?


A.外国人との会話に不慣れな人は政治や宗教の話題を避けたほうが無難です。とはいえ、必ずしもタブーではありません。

範囲をオフショア開発に限定すると、日本企業は顧客の立場であり、しかも相手は中国とベトナムが大半を占めるので、巷に溢れる「海外=欧米」を前提とするマナー本に書かれた内容を鵜呑みにする必要はありません。

実際、私は、中国IT企業での社内研修でも、わりと気軽に日中の政治対立について議論をふっかけます。日本ではタブー視される皇室や核兵器に関する話題を通じて、日本と中国の文化の違いについて議論を交わしたこともあります。

2012年、例の尖閣問題がピークを迎えた頃、周囲の中国人から「我々のような民間人に尖閣問題は関係ない」と何度も声をかけられました。

ただし、上記はあくまでも、中国のオフショア関係者との交流に限定されます。政府関係者や一般市民との対話ではないことをご承知おきください。


■ 問いかけ

<問1>かつて、私が中国人向け講演で物議をかもした政治的話題を予想しなさい。


<問2>ベトナムIT最大手企業のプロマネを相手に、南沙諸島に関する議論をふっかけることは避けたほうがいい(Y/N)


<問3>ミャンマーIT企業のビルマ人幹部に向かって、アウン・サン・スー・チー氏の批評を述べるのは避けたほうがいい(Y/N)


<問4>インドIT企業の日本語が苦手な現地技術者に対して、クリスマスのお祝いメッセージを送るのは避けたほうがいい(Y/N)


<問5>バングラデシュIT企業との取引を検討する日本企業があります。相手企業の経営幹部に宗教上の留意点を根掘り葉掘り詮索するのは避けたほうがいい(Y/N)

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