ハニートラップ(Honey Trap)

オフショア大學に寄せられたほっこり系の話題より。

近年、ベトナムオフショア開発に取り組む日本企業の間で密かにハニートラップが流行っています。A社が「最近当社ではこういうことがあって・・・」と切り出すと、B社も「え、実はうちでも・・・」という具合に話が膨らみます。


■ 問いかけ

<問1>ベトナムオフショア界隈で流行っている「ハニートラップ」とは、一体どういう現象でしょうか。

<問2>問1の答えを踏まえて上で、ハニートラップへの有効な対策を検討しなさい。

*Hint. オフショア大學公式メールマガジンをご覧ください
*今日は「ほっこり系」の話題であることを思い出してください。

参考:女性問題で自滅する日本人駐在員


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海外パートナーに預けた金が戻ってこない

オフショア大學への相談より。

私は東京都内の小さなソフトハウスで営業をしています。最近は客先常駐から請負開発へのシフトに力を注いでいます。

数年前に当社でも東南アジアのパートナーを使って、オフショア開発に挑戦しました。当社にとって初めてのオフショア開発プロジェクトでしたが、意外にも無難に終えることができました。

その後も細々とオフショアチームを維持してきました。ところが最近、お客様の都合でラボを解散することになりました。突然のラボ解散でしたが、2年以上の活用実績が残せたので、当社としてはこれまでの結果に満足しています。

ところが半年後、突然、お金の問題が発覚しました。

当社は海外ラボの運営支援という名目で、海外パートナーに数百万円を貸し付けていました。現地での技術者の採用・教育・日本出張費用などに何かと金がかかるので、資金力に乏しい海外パートナーを財政支援していたのです。

ところが、貸付金の返却期日を過ぎても海外パートナーからの着金が確認できません。

小規模会社にとって数百万円は大金ですが、毎月100万円以上のラボ人件費の支払いが発生するため、貸し倒れリスクは小さいと見積もっていました。万一、海外パートナー側で何か怪しい動きがあれば、即座に毎月のラボ人件費支払をストップすればよい、と考えていたからです。

ところが、顧客都合で突然ラボが解散されたことにより、貸し倒れリスクが顕在化してしまいました。

当社の管理部門責任者が慌てて海外パートナー代表者の携帯電話に連絡したところ、驚きのコメントが戻ってきました。

「先日、会社を売却した。個人保有株もすべて処分した。よって貸付金については売却先の新会社と話して欲しい」


私たちは唖然としました。

当社がこれまで2年以上、この海外ラボを維持してきたのは、他ならぬ(元)代表者個人との信頼関係に基づいていたからです。

顧客都合で突然ラボ解散となったのは不幸な出来事ですが、2年以上の継続発注を通じて信頼関係を築き上げたのに「会社を手放したからさようなら」では到底納得できません。

当社社長は「裁判だ!」と息巻いていますが、現実には相手国の土俵で争うのは極めて困難です。

海外パートナーの元代表者は「もはや私はこの件については無関係だが、元代表としては遺憾である。何とか金が戻ってくるよう引き続き努力したい」と電話口で語ったそうです。

さて、この先いったいどうすればいいのでしょうか。

■ 問いかけ

<問1>この後、相談者がとるべき対応を検討します。可能性のある選択肢をすべて洗い出しなさい。

<問2>相談者の会社が、相手国で裁判を起こして争う決心をしました。想定されるリスクを挙げなさい。

<問3>相談者の会社にとって「数百万円」は、すぐに倒産するような金額ではないものの、かなり痛手です。なぜこのような事態を招いたのか、時系列順に原因を探りなさい。

*Hints はオフショア大學公式メールマガジンをご覧ください。

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海外顧客へのプレゼンに万全を期すも失敗

オフショア大學への相談より。

私は、日本のSI企業でグローバル対応可能なシステム導入を提案営業しています。ある日、アジア某国の研究機関から「システムを提案してくれないか」と依頼がありました。当社製品を導入してくださった実績のある有力者からの紹介案件です。

しかも、この研究機関から複数のキーパーソンが来日するとの情報を事前にリークしてもらいました。研究者らが集うシンポジウムへの参加が目的とのこと。

これ幸いにと、当社は営業・技術・R&D部門の上級管理職が首を揃えてシンポジウム会場を訪問し、来日したキーパーソンらにご挨拶しました。そして、入念に段取りされた流れにしたがって、当社システムの導入案をプレゼンしました。

プレゼンと質疑応答の公用語は英語でした。プレゼンは、技術出身で英語も得意な当社の中堅エース営業に担当させました。


・・・後日談

当該案件を紹介してくださった方によると、当社のプレゼンはお客様の心にあまり響かなかったそうです。

むしろ、若干の不信感すら残ってしまったようです。

■ 問いかけ

<問1>上記相談によると、プレゼンは失敗でした。一体なぜでしょうか。考えられる原因をできるだけたくさん挙げなさい。

<問2>上記相談のプレゼンが失敗した原因は、国民文化の違いで説明できます。この主張に賛成しますか?(Y/N)

<問3>上記の失敗事例から得られる教訓をまとめなさい。

* Hints はオフショア大學公式メールマガジンをご覧ください。

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日本製部品を海外パートナーに担いでもらう提案

オフショア大學への相談より(※)。


私はアジア新興国で国内市場の開拓に従事しています。

当社はシステムの一部分として組み込まれるソフトウェア部品を扱っています。

そのため、海外で売上を伸ばすためには、現地の有力パートナーのメニュー表に予め当社製品を加えてもらわないといけません。いわゆる、現地パートナーに担いでもらう営業方針です。

現地パートナーの営業責任者は、高品質な当社製品を高く評価しています。ただし値段が高すぎるため、ソリューション全体のバランスが崩れることを懸念しています。

実際、地元政府や現地見込客との商談でも、値段の話題になった途端に表情が一変します。「これじゃ全く話にならん」という態度です。

私も現地感覚だと「日本製は高すぎる」という自覚はあります。成功した他社事例など、何か有益な情報や助言をいただけますか。

※機密情報保持のため話をかなり脚色しています


■ 問いかけ

<問1>相談者が求める有名な成功事例を1つ挙げなさい。

<問2>日本製部品を海外パートナーに担いでもらうには、どう提案すればよいでしょうか。適当に条件を設定して、相談者に助言しなさい。


* Hints はオフショア大學公式メールマガジンをご覧ください。

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ベトナム人出張者の受け入れNG対応

来週の月曜日、ベトナムオフショア委託先から若い技術者が「日本研修」という名目で初来日します。男性(27歳・ハノイ出身)です。

あなたは、ベトナム人研修生の指導係です。研修生はこれからの1年間、あなたの会社で研修を受けながら、日本の仕事のやり方を覚えます。

若手技術者が日本に到着した後、ベトナム委託先は研修生の面倒をほとんど見てくれません。

風の噂では、他社でも同様に研修生の放置プレーが目立つそうです。


■ 問いかけ

<問1>あなたは、初日の歓迎会のお店を探しています。無難な料理と危ない料理を、それぞれ以下の選択肢から1つ以上選びなさい。またその理由を述べなさい。以下は、全て創業◯◯年の老舗専門店だと仮定します。

(a) しゃぶしゃぶ
(b) トンカツ
(c) お好み焼き
(d) 焼き鳥


<問2>あなたの会社では、半年前に同じベトナム委託先から別の研修生を受け入れています。こちらも20代のベトナム人男性です。現在は他部署に配属されているため、普段はほとんど交流機会はありません。
せっかくなので、彼も歓迎会に参加してもらおうと思います。同じ会社から派遣された研修生同士、これから仲良くしてもらいたいと思います。念のため、留意すべき点があれば指摘しなさい。

参考:須田健太郎(2016)、インバウンド市場の現状と訪日客の特徴、BBT


答えの Hints はオフショア大學公式メールマガジンをご覧ください。

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ベトナムはチャイナ・プラス・ワンの最有力候補?

中国パートナーへのオフショア開発でそこそこ実績のあるK社では、チャイナ・プラス・ワンの観点からベトナムを代表とする次の委託先を調査しています。

全社レベルでオフショア開発推進する宇江城さんは、上司から「ベトナムはチャイナ・プラス・ワンの最有力候補国か?」と質問されました。

宇江城さんは「はい」と即答したものの、結論を裏付ける根拠が不十分でした。

このままでは翌週の役員会で報告できないため、宇江城さんは再分析することになりました。


■ 問いかけ

<問1>上記の宇江城さんは、翌週の役員会でチャイナ・プラス・ワンの最有力候補国を提示することになっています。

結論はすでに「ベトナム」に決まっていると仮定します。

上司からは、結論を「PowerPointスライド1枚」にまとめるよう助言されました。

あなたなら、どうまとめますか?

問いかけのヒントはオフショア大學公式メールマガジンに記載されています。

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オフショア委託国の調査票

「チャイナ・プラス・ワン」はソフトウェア業界でもお馴染みとなった経営用語です。

オフショア開発に馴染んだ大手企業や小回りの利く一部の中小企業では、ベトナムの次の次を見据えたオフショア拠点づくりを検討しています。

よって、「なぜ今さらチャイナ・プラス・ワン?」と訝しむ読者も少なくないはずです。

ところが、世の中には、オフショア開発どころか持ち帰り外部委託ですらままならないソフトウェア企業がたくさんあります。

ある会社のソフトウェア部門では、数年前にいくつかの海外オフショア企業を調査しました。対象国は中国、ベトナム、インドの三大オフショア委託国。

そして今年、改めて海外オフショアの最新動向を調査することになりました。理由はチャイナ・プラス・ワンへの対応です。対象国は前回の三カ国に加えてフィリピン、ミャンマー、その他を考えています。


■ 問いかけ

<問1>あなたは、会社トップから「チャイナ・プラス・ワンに対応するため次世代オフショア委託候補国を調査せよ」と指令を受けました。

中国、ベトナム、インド、フィリピン、ミャンマーの五カ国が調査対象です。

トップからは「PowerPointスライド1枚」にまとめるよう指示を受けています。あなたなら、どうまとめますか?

問いかけのヒントはオフショア大學公式メールマガジンに記載されています。

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質問を丸投げするベトナム通訳

ベトナムオフショア開発は相変わらず盛況ですが、現場では日本語を話すリーダー人材が圧倒的に不足しています。

特に予算が限られる中小企業の小規模プロジェクトでは、優秀な日本語人材が配置されることは極めて稀ではないでしょうか。よって、通常は技術力を優先してチームを構成し、後から通訳を付けます。通訳は当然ながら非技術者です。

ある典型的な小規模ベトナムオフショア開発での事例を1つ紹介します。

日本側の窓口を務める河本氏は、ベトナム現地の通訳を介して日常のQ&A連絡をやり取りしています。ところが、文系出身の現地通訳は技術の深い領域には手が届きません。ときどき技術者のセリフを直訳したQ&Aを投げかけて、河本氏を混乱させました。

越南:(Web画面に表示する)種別データについてサンプルソースを確認してみると、SQLから該当するデータを取っているだそうです。そのSQLについて詳しく教えてもらいたいと言われました。

■ 問いかけ

<問1>あなたが日本側窓口を務める河本氏の立場なら、上記の依頼に対してどう回答しますか。

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念のため再確認したらベトナム人のプライドを逆なで

前号に引き続き、5月大型連休中に公開されたベトナム関連コラムから興味深い箇所を抜粋します(本誌発行人による加筆修正あり)。

よく目につくベトナム人IT技術者のマイナス特徴:

・全体的に、ディレクション能力が低い
・指示待ちになる傾向
・イノベーティブな発想や行動は起こりづらい


その一方で、プラス特徴:

・1つのことを教え込んだら的確に実行する人は多い


ベトナム人に指示・伝達する際には、性善説より性悪説で厳しく臨んだ方が長期的にお互いのためにもなる。

日本側の伝えたことをベトナム人が理解しているか気に掛かり、「いま私が言ったことを繰り返してみてください」と伝えたところ、「どうしてそんなことを聞くのか」と機嫌を損ねさせてしまったことがある。業務上確認したいだけなのにベトナム人のプライドを逆なでしてしまい、どうしたものかと頭を抱えた。

出所:ベトナムIT業界に起こる「オフショア疲れ」--対応を迫られる日本企業、CNET Japan (2016/05/04)

■ 問いかけ

<問1>ベトナムオフショア開発の現場で活躍するある日本人が、次のような発言をしました。

「ベトナム人がいつまでも下請開発に甘んじるわけがない」
「ベトナム人はディレクション能力が低く、指示待ち傾向」

この二つの発言は矛盾するように感じられます。前者はベトナム人の主体性に期待する一方で、後者は2016年になっても相変わらず単純労働しかできないベトナム人の問題点を指摘しています。

実は、オフショア開発の現場で、このような矛盾する発言は珍しくありません。なぜ、このような矛盾があちこちで生じるのでしょうか?

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ベトナムIT業界に起こる「オフショア疲れ」

5月大型連休中に公開されたベトナム関連コラムから興味深い箇所を抜粋します。(本誌発行人による加筆修正あり)


ベトナムでは、サッカーの国際試合で自国が勝利すると、その夜は興奮のあまり暴走するバイクで道路が埋め尽くされるほど愛国心は非常に強い。

ところが、ベトナムオフショア開発では、いまだに下請けとしての「IT工場」の側面が強いため、「オフショアに疲れている」との印象が受ける。

「ベトナムのオフショア開発現場では、自分たちが見ることのない、どこかの国のどこかのサービスを次から次へと作っている。それはオフショア開発である以上、当たり前のことだが・・・」

出所:ベトナムIT業界に起こる「オフショア疲れ」--対応を迫られる日本企業、CNET Japan (2016/05/04)


■ 問いかけ

<問1>「オフショア疲れ」という現象は、何年も前から中国でも起こっています。ベトナム人よりも早くオフショア疲れした中国人がよく吐きそうなセリフをたくさん挙げなさい。


<問2>上記コラムでは、ベトナム人のオフショア疲れは必ずしも現地に進出する日系企業にとって必ずしもマイナスばかりではないと主張します。その理由を予想しなさい。


<問3>上記コラムが主張するベトナム人のオフショア疲れが今後も続くとしたら、日本のオフショア業界全体にどう影響すると思いますか。

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