人材流動の激しい中国メンバーと信頼関係を築く法

「信頼関係」の意味は、国や文化によって異なるか?
異なる。
(幸地司/オフショア大學第3期にて)

「信頼関係」の意味は、国や文化によって異なります。全く違う意味になることはありませんが、信頼の拠り所は歴史・宗教観、社会情勢に左右されます(*)。

*詳細は先週のプレミアム版マガジンで紹介しました
http://www.ai-coach.com/magpre.html


したがって、中国オフショア開発で語られる「信頼関係」の意味は、日本と中国では微妙に異なると考えた方が安全です。「信頼」と「関係」を二つに分割して、それぞれの意味を考えると理解しやすいでしょう。

私が主宰するオフショア大學では、信頼や文化といった抽象的な概念の議論に時間を割いています。この理由は、「信頼が大事」や「文化の相互理解」などと問題解決の場面でお茶を濁したくないからです(*)。

*オフショア大學では、しつこく”行動レベル”に焦点を当てます
http://www.offshoringleaders.com/


■問いかけ

人材流動の激しい中国(特に上海などの大都市)では、オフショア開発に次々と新しいメンバーが投入されて、そしてプロジェクト終了後には即座に去っていきます。

新しく入ってきた中国人メンバーに対して、日本人上司や日本側のキーパーソンと信頼関係を築くために、あなたはどのように助言しますか。年上の日本人技術者と中国の若いメンバーが信頼関係を築くためには、どのような言動が効果的でしょうか。


              ※

オフショア大學では、さらに次の問いかけが続きます。

 「オフショア開発では、皆が言うほど信頼関係は重要ですか?」

私の答えは・・・「  」。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

ダイヤの原石のままで社会に出される大学生

責任ある立場に中国人を登用しない日系企業
大学院を修了し、博士号を持っていたとしても、日本企業で中国人が役員に出世する確率はゼロに近いでしょう。能力があり、努力を重ねてもやがては挫折し、失意のうちに帰国した中国人は数え切れません。
(海野恵一/スウィングバイ2020株式会社 代表取締役)

ブルーカラーを敬遠する「小皇帝」と「小公主」

中国では1979年から、人口抑制を目的としたいわゆる「一人っ子政策」が採られています。望めばすべて手に入る環境で育てられた「小皇帝」や「小公主」は、汗水たらして働くこと、いわゆる「きつい」「汚い」「危険」の3Kを極端に敬遠する傾向があります。わがままでプライドばかりが高い点も中国の就職氷河期に拍車をかけています。

中国の新卒者のほとんどが膨大な知識を頭に詰め込んだだけの状態で大学を卒業しますが、暗記にひたすら時間を費やしてきた彼らは社会人としての教育を何一つ施されていません。「小皇帝」と「小公主」の大半が自信過剰です。

中国では、まっさらな原石のまま大学を出てきます。原石を磨けばダイヤモンドになる、といった発想は中国には一切ありません。要するに教育のインフラが全くない状態です。

出典『本社も経理も中国へ』海野恵一著、ダイヤモンド社(2008/5)
http://amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478082804/aicoach-22/ref=nosim


■問いかけ

就職氷河期が続く中国。この影響は、中国でオフショア開発を推進する企業にとって、どのような影響をもたらすだろうか。原因と結果の関係に注意しながら、影響をもたらす構造を明らかにしなさい。

[例] 就職難→ 初任給の低下→ 人件費上昇の頭打ち→ 利益率向上

| | Comments (0) | TrackBack (0)

BPO要員の採用条件:日本の祝祭日にあわせて就業すること

「中国人に忠誠心はない」は日本人の思い込み
日本でも人気の高い小説「三国志演義」に出てくる劉備玄徳と諸葛亮孔明に代表されるように、中国には一度惚れ込んだ相手にはとことんついていく、という風土があります。
(海野恵一/スウィングバイ2020株式会社 代表取締役)

大連に進出した日本向けBPO (business process outsourcing)ベンダでは、会社立ち上げを担う第一期中国人の求職者に対して、次の三つの採用条件を提示しました。

1.日本語を話せること。日本語能力検定1級取得者のみ
2.ある程度の期間にわたって日本に滞在できること
3.正式採用後は日本の祝祭日にあわせて就業できること

特に、3番目の条件が重要です。中国には二月の春節(旧正月)と毛沢東国家主席によって中華人民共和国の成立が宣言された10月1日を祝う国慶節(建国記念日)という、国民にとって最も重要な法定祝日が二つもあるからです。

出典『本社も経理も中国へ』海野恵一著、ダイヤモンド社(2008/5)
http://amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478082804/aicoach-22/ref=nosim


■問いかけ

アメリカでは、社員に対して1年ごとに、短いところでは3ヶ月毎に勤務評価が下されます。将来に対する会社のビジョンやキャリアパスが明示されます。10年後にはこうすることが可能です、と企業側が明言する習慣が根付いています。

あなたの会社では、外国人従業員に対してどのような未来像を提示すべきでしょうか。特に、責任ある立場に中国人を登用するための条件を列挙して、それぞれに重要度をつけなさい。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

もしも中国人が金髪だったら?

よく聞くセリフ
中国人女性はコミュニケーション能力が高いので、オンサイト開発には女性技術者を優先的に配置します。(人材派遣業/日本人)

●問いかけ

あなたは、この意見に同意しますか?
理由を添えてあなたの考えを述べなさい。

◆同意する
◆同意しません
◆その他

○結果を見る
○コメントボード


オフショア開発PRESS 巻末記事より。
http://press.1offshoring.com/index.html


中国人を日本に研修生という名目で呼んで、工場労働者として働かせていました。私がお会いしたのは、その社長が初めて研修生を受け入れた頃です。

わずか20歳そこそこで突然親元を離れ、初めて行った外国でそのまま2年間も研修するのは大変だろう、里心も付くだろうからと、慰める意味でも休日には自宅に呼んで食事をとりながら話を聞いてあげたりしていました。

その社長曰く、

「なぜ、中国人はあんなに礼儀知らずなのか? 人の家に上がるのに、靴も脱がない」

私は、その社長に質問しました。

「それは、日本人に容姿が似ているからじゃないですか? もし、同じ行為をパツキンでナイスバディーな西洋人がしたら、社長は同じように礼儀知らずって、怒りますか?」

しばらく考えて、

「確かに、パツキン・ナイスバディーでは怒る気にもならない。元々生活習慣が違うからって、諦めるだろうなぁ」

「社長、中国人も外人なんです。生活習慣も違います」
 ・・・・・・

オフショア開発PRESS 公式サイト
http://press.1offshoring.com/index.html


■成功の勘所

日本でオンサイト常駐する中国人の男性技術者は、一見しただけでは周囲の日本人従業員と区別がつかない。その為に、不合理な扱いを受けることはないだろうか。問題を抱えても誰にも相談できないし、誰にも気づかれない。そんな状況下に放置されていないか、改
めて点検してみよう。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

女性技術者はコミュニケーション能力が高い

●よく聞くセリフ

中国人女性はコミュニケーション能力が高いので、オンサイト開発には女性技術者を優先的に配置します。(人材派遣業/日本人)


●問いかけ

あなたは、この意見に同意しますか?
理由を添えてあなたの考えを述べなさい(*)。

◆同意する
◆同意しません
◆その他

○結果を見る
○コメントボード


締切:2008年06月05日18時00分
協力: クリックアンケート

(*)法令遵守云々よりも、人材活用や異文化コミュニケーション・マネジメントの観点から議論すること。

| | Comments (14) | TrackBack (0)

人件費高騰が未曾有の事業機会を生む

中国への期待
大学で画像処理を専門的に学んだ優秀な学生が欲しいが、日本では思うように採用できない。
(株式会社ファースト/日本人幹部)

1982年の創立以来、独自の画像処理技術にこだわる専業メーカーの株式会社ファースト(本社:神奈川県大和市、牧野正勝社長)。ここ4年間で売上を倍増させた実績をひっさげて、いよいよ本格的に中国・無錫に開発センターを立ち上げます。

ファースト社から特別に許可をいただいて、ファースト(無錫)開発センターの立ち上げ教育の様子を取材させていただきました。

[写真付き] ファースト(無錫)開発センター取材メモ
http://aicoach.tea-nifty.com/offshore/2008/05/post_20d9.html


日本からやって来た技術者が講師となって、画像処理技術の基本を指導します。現在、開発センターのメンバーは日本語を特訓中。若手メンバーの大半は初めての対日業務なので、急速に力をつけた読み書き能力に比べて、話す力はまだまだ未熟です。当面は、ファースト社の製品知識や画像処理技術の基礎をじっくり学びます。


・FAを中心に当社の画像処理技術は応用されます。例えば生産ラインの品質検査、高速道路や壁の亀裂の自動検知など。中国では、人件費の高騰を理由に今後ますます工場の自動化・省力化が進むでしょう。それが、我々にとって絶好の事業機会となります。
             (株式会社ファースト/日本人幹部)


[PR] 要請があれば、技術者の国際化教育を支援します
http://www.offshoringleaders.com/02curriculum/02.html


■成功の勘所

巨大な中国市場を見据えて、まずは無錫に12名の開発センターを立ち上げた日本の小さな画像処理専業メーカー。高度な日本語能力は求められない反面、技術力とFAへの深い理解が要求されます。

製造、生産に始まり、販売・導入・保守へと事業範囲を拡張。そして技術力が蓄積されたら、やがては設計や研究開発にも乗り出す構えです。

コスト削減のみを追求するオフショア開発とは、ひと味違った課題がファースト社を待ちかまえます。健闘を祈ります。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

中国での新しい教育施設

Dsc00661
今回、中国は無錫にオフショア大學の拠点を立ち上げました。日本で展開する講座とは異なり、ここでは若手中心のプログラマが教育対象です。

Dsc00665

Dsc00668

若手中心の授業といっても、中国では対象を細かく分類する必要があります。中国には、日本語すらしゃべれない、かつ実践経験のないIT技術者の卵がわんさかいますが、彼らはオフショア大學では対象外とします。実際には、この層が最も分厚く存在して、中国としては彼らが教育投資の対象と考えられています。費用対効果の観点から、IT技術者の卵を孵化させる期間を、教育によってどれだけ短縮できるかが勝負となります。

ブリッジSEやUML教育など、”日本的”な実践教育はもうしばらく後になりそうです。少なくとも、あと3,4年は経たないと、卵から生まれたばかりの雛が大きくならないので。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

技術力よりも日本語能力を優先する根拠をいえますか

あえて技術力よりも日本語能力を優先する風潮
現在の中国オフショア開発では、残念ながら高い技術力は求められない。そこで、我が社では、中国人IT技術者を採用する際には、設計やプログラミングの能力よりも、日本語力を優先する。
(中国でよくある発言)

上海では、優秀な中国人IT技術者がなかなか採用できず、各社とも苦労している。上海で約100名の技術者を抱える日系現地法人のマネージャに、「優秀さ」とは何かを問うてみた。

優秀さ1:今、~ができること
優秀さ2:将来性を秘めていること

前者を職能という。職能給制度では、従業員がどんな技能を有しているか、どんな資格を有しているかで評価される。職能とは、業務遂行に必要な知識やスキルを指す。

一方、後者をコンピテンシーという。たまに、コンピテンシーを行動特性と訳す人がいるが、避けたほうが無難である。なぜなら、この日本語訳では、本来の意味の一部しか表現できていないから。コンピテンシーとは、将来の成果につながるあらゆる能力である。

問いかけ

・現在の中国オフショア開発では、残念ながら高い技術力は求められない。そこで、我が社では、中国人IT技術者を採用する際には、設計やプログラミングの能力よりも、日本語力を優先する。

これは、職能ではなく、コンピテンシーを優先した採用基準といえるだろうか?

答え → mailmag@ai-coach.com


[PR] 正解はオフショア大學で詳しく扱います
http://www.offshoringleaders.com/02curriculum/02.htm


■成功の勘所

問いかけのヒント

日本語能力を優先する理由によって、答えは変わる。


もし、あなたが外国人技術者を採用する立場なら、下記2つの優秀さのうち、どちらを優先するだろうか。明確な根拠とともに答えを1つ選びなさい。

優秀さ1:今、~ができること
優秀さ2:将来性を秘めていること

| | Comments (0) | TrackBack (0)

上海ITアウトソーシング推進当局が人材育成に投資する理由

上海市ITアウトソーシング推進当局の現状分析

・世界標準のマネジメント体系は中国でうまく適用されない
・対日オフショアリング向け上級人材が足りない


(上海市信息服務外包発展中心(iISO)主任)

2008/5/12、上海にてオフショア開発PRESS創刊記念セミナーが開催された。オフショア開発PRESS特集1を執筆された上海オフショア開発フォーラム事務局様を中心とするボランティアスタッフの活躍により、盛大なイベントとなった。

セミナーに先立ち、当日の午前中にオフショア大學と上海市ITアウトソーシング推進当局(iISO)は、90分近く事業化を前提とした交渉を行った。午後のセミナーでiISO主任様が概要について言及したので、私からも核心部分をぼかしつつ補足説明したい。
Seminar

■成功の勘所

上海市ITアウトソーシング推進当局では、発展途上の中国ソフト企業はPMBOKやCMMIを十分に活かしていないと現状分析する。最下層の初級プログラマを大量に輩出する仕組みは整ったが、対日オフショア開発に対応できる高級人材は圧倒的に不足したまま。

そこで、オフショア開発コーディネータ人材育成に定評がある私のところに白羽の矢が立ったというわけだ。続く・・・

| | Comments (0) | TrackBack (0)

日本未経験者が日本式マナーを教える

日本語があっという間に上達する人
うちの技術者はみんな日本のアニメファンです。
(上海オフショア開発交流会より)

Dsc00012
以前、中国人の初級プログラマに日本式ビジネスマナーを教える講師に出会ったことがある。驚いたことに、この講師は一度も日本に行ったことがないという。

では、日本式マナー講座で何を教えているのかを聞いたところ、お辞儀や挨拶といった基本中の基本に特化しているとのこと。失礼ながら、その場は失笑しそうになったが、後から冷静に考えるとあながち悪い試みではないような気がしてきた。

オフショア開発PRESS「成功する日本語研修(p142)」では、初心者を相手にする授業なら、必ずしも日本講師にこだわらない方がよいと具体例を挙げて指摘する。

※ちなみに、昼食後の研修は最悪である。特に北方では要注意。
 理由は当該記事をご覧ください。


■成功の勘所

すべての外国人プログラマに通用する万能な日本語学習法はない。ところが、日本好きな若手IT技術者に対しては、効率よくにカタカナを教える手段がある。日本のドラマやゲーム、アニメを活用する手法だが、さらに一手間加えることで効果倍増とのこと。それ以上は営業秘密ということで。


| | Comments (0) | TrackBack (0)

組織学習の出発点、紙に書いて目立つように掲載する

日本から「ブリッジSEを投入したい」と言われたら
受け側から見た場合には、逃げの言い訳を最初につくるものでしかありません。顧客の要求仕様を理解し、文化の違いを前提としてコミュニケーションすれば、ブリッジSEなんて必要ありません。
(中国人総裁)

日本企業では、新人は15年ほどかけて1人前の技術者やマネージャーに育つ。一方、中国では、オフショア開発にあたる従業員は一人前ではないし、会社もどんどん伸びて組織形態も激変する。したがって、最初からブリッジSEの個人技に頼る組織は甘えている。
これが、前出の中国人総裁の基本姿勢である。

果たして、中国ベンダに日本のソフトウェア開発業界に特有の暗黙知を移転できるのだろうか。「あうんの呼吸」が通じるとか、通じないとかの話ではなく、中国は組織学習するだろうか。

この種の議論をする際、日本人の団塊世代が持つ”暗黙知”と、オフショア拠点のSEが持つ”ノウハウ”は次元が違うことに気をつけたい。このままの状態で、「中国にノウハウは溜まらない」と一方的に相手を非難しても、何の解決にも結びつかないだろう。

○読者アンケートの途中結果を見る


■成功の勘所

先週の上海オフショア開発勉強会講師からのアドバイス。

中国人技術者と会話する際には、単なる仮説や想像と事実を切り分ける工夫が必要である。もし、「報告の際には、結論を先に述べよ」と指導したいなら、大事なポイントを行動レベルで書き出し、社内の目立つところに掲示して何度も何度もしつこく指導し続けること。

言葉だけではなく、紙に書いて見せれば、組織は変わり始める。
3


☆オフショア開発では、「カタカナ英語」を減らして、極力漢字も
しくは英語で書くべきだといわれます。ところが、忙しい発注者へ
の負担増は避けたい。さて、どうすべき?

◆発注者(日本人)が「カタカナ」を減らす努力をすべき
◆受注者(外国人)が「カタカナ」を理解すべき
◆その他

○結果を見る
○コメントボード


締切:2008年04月01日23時00分
協力:クリックアンケート

| | Comments (21) | TrackBack (0)

ラボ契約の成功条件 (編集後記)

昨夜の上海オフショア開発勉強会は、いつもより少なめの12名。ゲスト講師の経験を元に一般的な問題分析を示して、その流れの勢いで個別の具体的な対策に迫る講演でした。

Q&Aに関する話題は尽きません。特に興味深かったのは、「質問をためらう中国人技術者」の話。いくつか原因を考察しましたが、参加者から次々にご意見が出されて、私も新しい発見がありました。
Dsc00018

夜9時過ぎに終わった後は、恒例の打ち上げ交流会。参加者は7名。会場すぐ脇の日本料理屋で24:30過ぎまで騒いでいました。

中国ラボ契約を成功させる秘訣について喧々諤々と議論した結果、2つの条件に落ち着きました。人材流動への対策とモチベーション維持の対策です。詳細は、2次会参加者のみの秘密ということで。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

一つの会社で長く働く中国人にもノウハウは蓄積されない

中国企業の個人にはノウハウは溜まらないが、組織には溜まる?
私の感覚だと逆ですね。もちろん私の感覚は製造業での感覚なので事情が違うのかもしれません。私が現場で感じるのは、個人にはノウハウがたまるが,会社にはノウハウが残らない。優秀な人間がやめてゆくと,会社ががたがたになる。優秀な人間でも部下や仲間にノウハウを教えるのはへたくそ。
(オフショア開発PRESS 執筆者)

Dsc00009
伸びる中国企業では、幹部社員は会社を辞めない。定着率はほぼ100%である。ダメな会社は、いつまで経っても幹部社員が定着しない。これは、オフショア関係者の間で静かに語られる定説である。

では、幹部が辞めない中国企業では、個人にノウハウが蓄積されて生産性が理想的に改善されるのかというと、一概にそうとも言い切れないという。

先日、私と一緒に横浜市経済観光局の講演会で質疑応答の場に立った中国人経営者は、その理由を次のように述べた。


・一つの会社で長く働く優秀な中国人幹部社員は、瞬く間に出世して開発現場から離れてしまう。場合によっては、20代後半で百名以上のプログラマ集団を統率する副総経理クラスに昇進することがある。


■成功の勘所

一つの会社で長く働く有能な中国人エンジニアは出世魚である。時間をかけて特定の個人に貴重なノウハウを移転しても、出世とともに現場から離れてしまう。


☆中国オフショア開発企業にはノウハウが蓄積されないと噂されま
すが、真実はいかに? あなたの過去の経験をもとにお答えください。

◆個人にはノウハウ蓄積されるが、組織には根付かない
◆組織にはノウハウが根付くが、個人には蓄積されない
◆個人にも、組織にもノウハウは蓄積される
◆個人にも、組織にもノウハウなんて蓄積されない
◆その他

○結果を見る
○コメントボード


締切:2008年03月26日23時00分
協力:クリックアンケート

| | Comments (4) | TrackBack (0)

日本語能力試験で出題される対日業務に直結しない語彙

【回答】語学はだめでもSE資格あり
語学で勝負するならネイティブレベルになるか、いっそのこと広東語か上海語も、普通話のほかに、覚えること」とか「語学なんか下手でも問題解決力と技術を」です。
(日本人)

近い将来、技術力のない中国人通訳の仕事は、他のものに取って代わられるのだろうか。読者アンケートは、通訳兼アシスタントとして働く非技術系の日本語人材の市場価値は、次第に低下すると示唆する。

※第809号 市場価値が下がる非技術系の日本語人材
http://www.ai-coach.com/backno/cip0809.html


中国では、専門性の高い職業であっても、需要と供給のバランスが崩れると給与水準は驚くほど低迷することがある。

・大学教授
・医者
・公務員
・中国会計担当

したがって、日本でコミュニケーション能力のないIT技術者の市場価値が下落したように、中国での日本語しかできない通訳&雑用のビジネスパーソンの存在価値は、そのうち急落するかもしれない。


■成功の勘所

オフショア開発PRESSにも寄稿した日本語教育の専門家は、中国人IT技術者がいくら日本語能力試験の対策に力を入れても、実務で使えないことが多いと指摘する。

理由1:大学で使う専門書の読解力向上に偏重しているから
理由2:使用頻度の低い語彙の勉強に時間が割かれるから

[例]日本語能力試験で出題されるオフショア業務に直結しない語彙

・あつらえる 
・~いかんだ(この決定は佐藤さんいかんだ)
・~するきらいがある(人の意見を無視するきらいがある)
・妥結(だけつ)
・~にかたくない(想像にかたくない)


| | Comments (0) | TrackBack (0)

市場価値が下がる非技術系の日本語人材

【相談】通訳者としての仕事が減ってきた
うちの会社は最近、社員の日本語教育にとても力を入れています。そして、だんだんその効果が見え初めて、日本人とスムーズに交流できる技術者は少しずつ多くなってきて、私も通訳者としての仕事量が少なくなってきました。
(大連/中国人読者)

●中国にお住まいの文系読者から、珍しい相談メールが届いた。


-------- Original Message --------

幸地様

私は、大連ソフトウェアパークのある□□系ソフトウェア開発会社に通訳として勤めております。うちの業務の大半は、日本向けのオフショアソフトウェア開発です。日本人友達の紹介で、1年半前から幸地様のメールマガジンを読み始めました。今は、日課として毎日読んでいます。

ただの通訳者ですので、ご紹介された知識や経験などを実践するチャンスがあまりないですが、とても面白くて勉強になります。

今、悩んでいることがあります。

うちの会社は最近、社員の日本語教育にとても力を入れています。そして、だんだんその効果が見え初めて、日本人とスムーズに交流できる技術者は少しずつ多くなってきて、私も通訳者としての仕事量が少なくなってきました。

うちの会社だけではなく、ソフトウェアパークのほかの会社も技術者の日本語教育をとても重要視しています。すぐとはいえないが、近い将来自分が日本語だけで食べていけなくなるのではないかととても心配しています。

実は、今も通訳兼アシスタント、雑用係の形ですが、本当にどう進めていくべきかよく分かりません。ご指導をお願いできますでしょうか。

                    (大連/中国人読者)


■成功の勘所

相談者は真剣に悩んでいるようである。相談者の友人になったつもりで、親身な立場で助言を贈ろう。


☆大連で、主に通訳兼アシスタントとして働く非技術系の日本語人 材の市場価値は、次第に下がるだろうか?

◆市場価値は下がる
◆市場価値は上がる
◆その他

○結果を見る
○コメントボード


締切:2008年03月18日23時00分
協力:クリックアンケート

| | Comments (26) | TrackBack (0)

見切り発車+手戻り=反復 (イテレーション)

UMLを熟知しているとは
ベトナムでは上級エンジニアとしか会っていませんが、欧米の仕事をやっているせいか、UMLを熟知しているとの印象を持ちました。中国では言葉しか知らないというようなことでも、ベトナムはよく知っているな、と感じました。
(日本初の業界専門誌『オフショア開発PRESS』座談会より)

UML(Unified Modeling Language)とは、オブジェクト指向で設計されたモデルを表記する手法のこと。UMLは、日本だけではなく世界中で利用されるプログラム設計図の業界標準である。

最近では、「UMLを使ってアジャイル開発に取り組んでいます」と誇らしげに語る中国ベンダも珍しくない。興味を持って詳しく突っ込んでみると、実は「反復 (イテレーション)」の意味を誤解していたなんてことも少なくはないが・・・。

・見切り発車+手戻り = 反復 (イテレーション)??


■成功の勘所

あなたは、自社のオフショア開発でどれくらいUMLが活用されているかを正しく理解しているだろうか。言葉だけ「知っている」と「実践している」は全く違う。

・クラス図とシーケンス図を書いた=UML活用??
・言語仕様を知っている=技術力がある??
・COBOLな日本人がオブジェクト指向っぽい設計書を渡したら、オ
 フショア側で詳細設計書を一から作りなおし??


       ■■アンケートに答えよう■■


☆オフショア開発で、UML(Unified Modeling Language)を活用していますか? あなたの身近な事例で回答してください

◆上流設計から流れるようにUMLを活用
◆ときどきクラス図等を描くだけ
◆活用していません(UMLを使いたいが)
◆活用していません(UML不要なので)
◆その他

○結果を見る
○コメントボード

締切:2008年02月24日23時00分
協力:クリックアンケート

| | Comments (10) | TrackBack (0)

ソースコードのコピペ爆弾

中国オフショア開発の受け入れで苦労しています。
不具合を指摘しても修正されません。何度も何度も同じ繰り返しです。はっきり言って自分で直した方が早いです。

・いざとなれば自分で修正します(12票)67%
・根気よく指摘し続けます   ( 3票)17%
・不具合はすぐ修正されます  ( 2票)11%
・その他 (1票)6%


(読者アンケート中間結果)

性能、例外処理、排他制御・・・、これらは経験不足のプログラマが苦手な作業であり、中国オフショア開発では常に関係者を悩ませる関門である。

日系メーカーの中国現地法人で働くある日本人上司は、中国人社員がバグを「直す」のではなく「隠す」ことに苛立ちを覚えるという。例外処理を無視するだけならまだしも、バグ発生確率を抑えるお化粧プログラミング技法には、開いた口がふさがらない。

中国オフショア開発では、今でも製造工程で単純なバグが発生しているのだろうか。さっそく、現場からこんな声が寄せられた。


・会社的にオフショアメインに移行し、社内の開発力をあまり必要としない前提に立っているはずなのに、実は修正工数が相当量必要なため、社内のPG要員不足という問題が最近露呈してきています。(Sさん)


・最近は不具合を直してもらえないということはなくなってきています。3~5年前はよくあった事ですが。ただ、本当に緊急を要するものや、どうもレスポンスが悪いものに関しては、日本側でやってしまうこともあります。(Hさん)


■成功の勘所

一般に、中国人若手プログラマは同年代の日本人プログラマと比べて手が早い。その反面、不具合の対処療法に全力投球してしまいがちである。

無駄を嫌い、合理性を重んじる一方で、ソースコードのコピペ爆弾、汎用性のない例外処理、手続き型でコーディングされたJavaプログラムが大量発生する。あなたなら、この修羅場をどう乗り切るか。

| | Comments (4) | TrackBack (0)

通訳を上手に使う人

通訳を使うとコミュニケーション効率がた落ち
通訳を介した講演なので、中身は日本語で講演するときの約半分になると考えた方が安全です。
(海外技術者研修協会(AOTS)/日本人)

先日、日本語を知らない受講生を相手に研修する際に、前出の助言をいただいた。なるほど、確かにそうだと思った。そこで、資料の分量はいつもの3分の2程度に抑えた。

中国オフショア開発実践セミナーでは、中国での会議は日本のそれと比べて2倍以上時間がかかると指導する。場合によっては、3倍以上を覚悟するようにとも伝える。

では、実際のAOTS研修ではどうだったかというと、日本語による講演とほぼ同水準の内容を、ほぼ同じ時間内で、ほぼ同じ分量をこなすことができた。参加者の理解度、研修後のモチベーションも日本語セミナー時とほぼ同じ水準に達したと思う。


■成功の勘所

通訳を使った研修を成功させた要因は以下の通りだと自己分析する。

- ワンセンテンスごとの逐次通訳
- 結論を先に、理由や根拠、詳細説明を後にしゃべる
- 必ず前置きしてから説明をはじめた。
「これは、日本市場の調査データです」
「これは私の主観的な意見です」
「これは友人から聞いた、大連での失敗事例です」
「理由は3つあります(この時点で通訳させる)。1つ目は・・」

| | Comments (0) | TrackBack (0)

理解できない箇所は翻訳せずにすっ飛ばす通訳

天狗症候群
中国人通訳にはいつも泣かされます。この前まで、パートナーさんから中国人技術者を1名入れていましたが、いろいろと面倒が多いので、とうとう帰ってもらいました。
(日本人)

中国オフショア開発では、通訳を介したコミュニケーションが主体である。現場には、IT音痴の通訳もいれば、ブリッジSE兼通訳もいる。いずれにせよ、通訳の専門教育を受けた人は少ない。

よくあるトラブル。

・中国人ブリッジSEは、日本人の意思を直訳しない。自分が理解できる範囲で意訳する。理解できない箇所は、翻訳せずにすっ飛ばす。

・大学で日本語を専門的に学んだIT音痴の通訳はソフトウエア開発を知らなさ過ぎで、会話が成立しない。


こんな疑問符がつく場面も多い。

・会議の席で通訳だけを見て会話する日本人マネージャー。感情のやり取りが発生しないので、いつまで経っても信頼関係はゼロ。

・カタコトの日本語しかしゃべれない中国人は知的レベルも低いと勝手に判断する日本人。

・流暢な日本語をしゃべるブリッジSEは、マネジメント能力も長けていると勝手に判断する日本人。

・日本の国立大学に留学した後、最近わが社に入社した若くて賢い中国人社員をみて、「彼なら、中国と日本を上手に橋渡しするに違いない」と過大評価する日本人上司。

・日本人が聞いても退屈な無味乾燥なスピーチを通訳させる日本人。

・会話に句読点がなく、通訳を置き去りにして熱弁する役職者。


■成功の勘所

あなたは、ブリッジSEに「直訳」を期待するか、それとも「意訳」を期待するか。予め立場を明確化しておこう。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

品質保証部は成果報酬ですか

なぜ、日本では、テスト専門技術者”テスタ”を使わないのか
我々企業には品質保証部は存在します。・・・品質保証が実施する範囲もピンキリで、ドキュメントのみのチェックからプログラムのブラックボックス的なものまでさまざまです。
(日本人)

前号のタイトルは刺激が強すぎたのだろうか。思いのほか多数のご意見が寄せられた。
Vol.0752 日本にテスト専門技術者がいない理由を説明せよ


テスタや品質保証部門の有無は、海外ベンダの選定基準にも関連する話題である。もし、初めて訪問する海外ベンダで次の営業トークを耳にしたら、あなたはどんな反応を示せばよいだろうか。

「わが社には、開発部隊とは独立した品質保証部が存在します」
「わが社では専門のテスタを起用して、徹底的にバグを潰します」


主観的な意見だが、中国ベンダで活躍するテスタと日本の品質保証部とでは、全く機能が異なるのではないか。

中国:平均年齢□□才、主な役割は□□□□による動作確認
日本:平均年齢□□才、主な役割は□□□□に責任を持つこと

もし中身が違うのなら、品質保証部に関して日本と中国を比較しても意味がない。


■成功の勘所

中国ベンダのテスタや品質保証部の実態を知る効果的な質問の例。

「テスタの平均年齢は?」
「品質保証部のおかげで失敗を回避できた事例を教えてください」
「品質保証部は成果報酬ですか。どうすれば給料アップしますか?」

あなたなら、どんな質問を投げかけますか。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

日本にテスト専門技術者がいない理由を説明せよ

日本には、なぜテスタが存在しないのか
なぜ、日本では、テスト専門技術者”テスター”を使わないのか。自分で作ったプログラムを自分でテストするだけですか。本当にそれで品質保証できますか?
(AOTS研修/中国人)

AOTS研修プログラム二日目の風景から。

財団法人 海外技術者研修協会(AOTS)


◇:幸地  ◆:中国人管理者

◇日本の業務系アプリケーション開発では、いわゆる"テスタ"を起用した第三者による試験は少ないと思います。プログラマが自分の担当箇所を自己責任でテストするのが一般的です。

◆中国では、開発部隊とは独立した品質保証部が必ず存在します。なぜ、日本ではテスト専門技術者を使わないのですか。

◇そうですね。いくつか理由を挙げてみましょう。まず、オーダーメイドの業務系アプリケーション開発が中心の日本企業では、テスタによるホワイトボックステストは効果的でないことが多い。次に、・・・・・・

◆ですが幸地先生、自分で作ったプログラムを自分でテストするだけですか。本当にそれで品質保証できますか?


私はこの時点で、日中の様々な相違点が頭に浮かんだ。

・日本と中国の「プログラマ」の成熟度の違い
・日本と中国の初級プログラマ数の違い
・日本と中国のSE、プログラマ、テスタの給与格差の違い
・日本と中国の「品質保証部」の役割や実態の違い
・プロセス重視と結果重視の違い
・無謬性を追求して副作用を起こす日本と合理主義を貫く中国の違い


■成功の勘所

あなたは、日本のシステム業界の事情を知らない外国人管理者から、「日本はなぜテスト専門技術者を使わないのか」と聞かれたとする。

あなたなら、どのように答えるか?日本市場の特徴を簡潔に示し、相手が納得する説明を考えなさい。(相手に持論を押し付けないこと、相手を批判しないこと)

| | Comments (6) | TrackBack (0)

AOTS中国IT産業管理研修より

大手企業に人材を根こそぎ奪われていく
体力のある企業なら、中国内陸シフトして人材争奪戦に対抗すればよい。だが中小には限界がある。いかに早く対日オフショア業務で活躍する人材を育てられるか、それが課題である。
(上海・中国人経営者)

先日、中国から来日された中国人管理者20名に対して、日本市場の最新動向をレクチャーした。参加者は誰も日本語を話せないという特殊な環境。AOTSさん、見事な舞台をご用意いただきありがとう。

ベテラン通訳を介して、3時間みっちりしゃべってきた。今年一番の緊張であったが、通訳との息もぴったり。結果は大満足。自分を褒めてあげたい。

財団法人 海外技術者研修協会(AOTS)


日本のソフトウエア市場をほとんど知らない受講者だからこそ、レクチャー後の質疑応答は難しかった。中には「bridge SE(英語)」を知らないという方もいるので、言葉を慎重に選んで精一杯答えた。

Q.ベトナム発注もいいが、中国内陸の方がもっと条件がよいはずでは?
Q.日本企業に社員数を聞かれたら多めに答えた方が印象がよいか?
Q.中国だって仕様は曖昧だし、お客様は偉い。日本と同じでは?


■成功の勘所

こんな質問も飛び出した。私は一瞬答えに詰まってしまったが、あなたなら何と答えるか?

Q.中国内陸に20名のソフト開発部隊がいる。昔は対日オフショア開発の実績があるが、今は日本企業との取引はない。日本企業と取引を再開したいが、どうすればよいか。


| | Comments (0) | TrackBack (0)

離職防止のために住宅ローン補助って、本当ですか

大卒プログラマの初任給、東京感覚で月給30万円くらい
「東京感覚で月給30万円くらい」は、あくまでも北京・上海・広州の大都市の話。最近の会社員で多いのは、月光族・・・月末に、給料を使い果たす(用光)・・・翌月にはまた給与が入るというので、目先を楽しむ中国の若い世代に多い・・・
(日本人)

※本誌vol.733の続き
http://www.ai-coach.com/backno/cip0733.html

今日も中国大陸で働く大卒技術者のフトコロ事情を紹介する。オフショア開発とは関係ないが、知っておいて損はないと思うので、興味ある方はお付き合いください。

※最近のメルマガ記事は常識だよ!という方がいらっしゃれば、
 みんながあっと驚く丸秘情報をお寄せください。ぜひとも。

  こんなことまで知ってますか? → mailmag@ai-coach.com


小規模プロジェクトで活躍する日本人読者が、オフショア開発ブログに面白いコメントを寄せてくれた。

・私の周りの中国人の方は、20代後半でみんな上海にマンションを買ってます。上海の地図を広げて、○○さんはここ、と全員説明されました(笑)。これって普通なのでしょうか?会社からもお金が借りられるみたいですが・・・(転職を防ぐ為の福利厚生の一環みたいですが)

(今年度オフショア開発サポーターズ大賞候補/日本人)

※コメントの全文はこちらから
http://aicoach.tea-nifty.com/offshore/2007/10/3000_68ad.html#comment-15940572


■成功の勘所

中国オフショア企業が、社員の離職を防ぐ為に住宅ローンの一部を補助する。あなたは、こんなことが現代の中国であり得ると思うか。もし、事実だとすれば、住宅ローン補助は、中国人IT技術者の転職をどれくらい防止できるだろうか。さっそく、周りにいる中国人を2-3名つかまえて、話を聞いてみよう。

 そしてヒアリング結果を報告する → mailmag@ai-coach.com
(可能なら、中国以外の事情も調べよう)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

大卒プログラマの初任給、東京感覚で月給30万円くらい

プログラマの初任給3,000元を超えてきた
・上海の有名大学を卒業したプログラマの平均給与は3000元を超えています。会社の負担分を加味すると、原価は6000-7000元/人。
(中国人)

※本誌vol.732より
http://www.ai-coach.com/backno/cip0732.html

前号で紹介した「プログラマの初任給3,000元を超えてきた」とのご意見に対して、知人から以下のコメントが届いた。

・「プログラマの初任給3,000元」こんなものじゃ、ないのですか?国営企業だと1,500-2,000くらい。ただし、福利厚生費付き。購買物平価x為替で 7倍x15円=100円=1人民元というのが、大都市部での物価感覚ですから、初任給が30万円くらいか。特に若い子は高めになってはいますがね・・・ (日本人)


■成功の勘所

先日お会いしたオフショアベンダの採用担当者から聞いた話。

・中国で日本語初級レベルのプログラマを大量に採用したい。日本勤務が前提なので、技術力よりも日本語力や人当たりの良さが優先。適正な給与水準(と思われる)の人材がほとんどいない。


中国の田舎専門のオフショア関係者に「月給3,000元」と聞いたら、「高すぎます!」と一蹴されてしまった。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

人海戦術を得意とする文化的特徴

異文化(相手国の文化・習慣)の相互理解は大事
オフショア開発をする上で、「異文化」(相手国の文化・習慣)の相互理解は大事だと思います。異文化コミュニケーションの理論、またどう実践するかについて得るものがあればと考えています。

(オフショア開発勉強会への期待の声)

日本人は集団主義、中国人は個人主義。オフショア開発の現場では、このような噂が広まっている。今月のオフショア開発勉強会では、この常識に「待った」をかける。

人々が、個人の結びつきを優先するか、あるいは、集団への帰属や忠誠を優先するかは、国民文化によって大きく異なる。これは伝統的な異文化コミュニケーション研究の見解である。

そして、集団主義-個人主義の尺度は、仕事に直接影響する。

・個人主義:仕事より家族、残業拒否、個人評価、即断即決
・集団主義:仕事人間、サービス残業、連帯責任、合意重視

文化論に興味がある方は、次のクイズに挑戦しよう。

Q.人海戦術を得意とする文化的特徴は?
Q.コネ社会を生み出す文化的特徴は?
Q.特定の国民文化の中に結果主義と長期指向は共存するか?
Q.根回しや稟議システムは日本社会だけの特徴か?
Q.「ほうれんそう」は日本社会だけの特徴か?
Q.国民文化と企業文化、どちらがより仕事に影響を与えるか?


■成功の勘所

文化は相対的な存在である。

中国は日本と比べて・・・である。
米国は日本と比べて・・・である。
インドは日本と比べて・・・である。

伝統的な異文化コミュニケーションの理論は、国家や組織全体の傾向の理解には役立つが、個別の議論には全く通用しない。だからこそ、理論を用いる際には使用上の注意をよく読んで、正しい適用方法を身につけたい。

Q.人海戦術を得意とする文化的特徴は?
→個人主義では説明できないのではないか。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

従業員は権威を持つ者にそれなりの敬意を払う

中国人従業員の私用電話をやめさせたい
ある日系企業では、中国人従業員による私用電話が多発していた。毎日のように自分の田舎に電話していたのだ。あなたなら、どのように私用電話をやめさせるか。

             (本誌 2006/05/26 第439号 より)

欧米のある研究によると、従業員の行動の過半数は文化によって説明できるという。

例:日本人従業員は勤勉で、家庭を顧みず仕事に没頭する

→この原因の50%は日本文化で説明がつく。年齢や性別、学歴、年収からの影響は合計しても50%ほど。

文化とは、特定の集団が持つ生活様式のこと。国や個人だけではなく、小さな組織や多国籍企業にも文化がある。

オフショア開発チームを取り巻く文化を知らずして、プロジェクトが成功するはずがない。恐らく、あなたの想像以上に、文化はオフショア開発の活動に作用する。

これからの開発責任者(PM,PL,PMO)は、文化やコミュニケーションへの深い理解が求められる。今や文化論は、心理学と並び現代のプロジェクトマネージャの必須科目といって差し支えない。

※PMBOKガイド序章でも、人間関係スキルの重要性がうたわれている

会社組織や制度の上下関係に対する従業員の意識は、国民文化を理解する優れた特徴である。特に、職務上の権力をどれだけ受け入れているかを数値化した研究は興味深い。

例:権力の格差が大きいことを許容する国民性

・中国、フィリピン、インド
→従業員は権威を持つ者にそれなりの敬意を払う
→肩書きや職位、地位がかなりの意味を持つ


■成功の勘所

冒頭の「中国人従業員の私用電話をやめさせたい」の回答例。

有効な対策:
会社の壁に大きな文字で「私用電話禁止」の紙を貼り出す。
管理者の署名入りで。

理由:
「権力格差」が大きい中国では、権威あるものが公式な文書で通達すると、それなりに敬意を払って従う。

この続きはこちら → http://www.ai-coach.com/seminar/workshop.html


9月のオフショア開発勉強会<東京・大阪、共通テーマ>
「異文化コミュニケーションの理論と実践」 

なぜ私たちは、異文化コミュニケーションについて学ぶのでしょうか。最大の理由は、IT技術者が異文化コミュニケーションを体系的に学ぶ機会がほとんどないからです。

日本のIT技術者は、文化について専門教育を受けることなく、いやおうなしにオフショア開発の現場に放り込まれます。今月のオフショア開発勉強会では、今までの自己流のやり方に不安を感じるIT技術者を対象に、仕事に関する国民文化の違いを解説します。対象国は日本と中国です。

【東京】
日時:2007年9月14日(金) 18:50-20:50 (18:30開場)
場所:オフショア開発フォーラム 東京セミナールーム
申込方法 → http://www.ai-coach.com/seminar/workshop.html

【大阪】
日時:2007年9月21日(金) 16:30-18:30 (16:00開場)
場所:オフショア開発フォーラム 大阪セミナールーム
申込方法 → http://www.ai-coach.com/seminar/workshop_osaka.html

| | Comments (0) | TrackBack (0)

多国籍技術者が100名いたらブリッジSEは何人必要か

オンサイトに50名の中国人がいたらブリッジSEは何人必要か

【クイズ】下記状況におけるブリッジSEの人数と役割を考えなさい。

 [1]もし、オンサイトに50名の中国人がいたら?
 [2]もし、オンサイトに100名の多国籍技術者がいたら?

Vol.711 オンサイトに50名の中国人がいたらブリッジSEは何人必要か

なぜ、ブリッジSEは必要か。その答えは、A地点とB地点を橋渡しする必要があるから。

 [1]もし、オンサイトに50名の中国人がいたら?

→5~7名のサブチームに分割して、それぞれのチームリーダーがブリッジSEを兼ねる。

→50名全体を統括する中国人マネージャーを1名。マネージャーの補助として、ブリッジ専門のコミュニケーターを1名配置する。


ところが、オンサイトに100名の多国籍技術者がいたら、いっそのこと、橋渡し担当の役割を撤廃した方がよいかもしれない。多国籍チームなので、仕様言語はばらばら、文化もばらばら。共通にあるのは、企業文化のみ。


■成功の勘所

 [2]もし、オンサイトに100名の多国籍技術者がいたら?

→英語を共通言語とするので、ブリッジSEは不要。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

オンサイトに50名の中国人がいたらブリッジSEは何人必要か

私はリーダー兼ブリッジSEです
今回は、中国人3名の体制でオンサイト作業です。画面製造と単体テストを行います。私はリーダー兼ブリッジSEとして参加します。

(東京/中国人)

オンサイトで日本人と中国人をブリッジ(橋渡し)する役割。国境を越えないが、これもブリッジSE業務とよべるかもしれない。冒頭の中国人リーダーは、サブチーム3名をまとめるサブPMとして働いている。

人数が少ない場合には、PMないしPLがブリッジ業務を兼ねることが多い。もし、オンサイトに10名の中国人がいたら、ブリッジ業務専門の担当者が必要になるかもしれない。


■成功の勘所

7-8名を超えると専用のブリッジSEが一人必要になるという噂を聞いたことがある。あなたの会社では、ブリッジSEの配置に関する基準はあるだろうか。

【クイズ】下記状況におけるブリッジSEの人数と役割を考えなさい。

 [1]もし、オンサイトに50名の中国人がいたら?
 [2]もし、オンサイトに100名の多国籍技術者がいたら?

| | Comments (0) | TrackBack (0)