外国籍IT人材の活用状況 (2017)

来月(10/5)、マレーシアの政府系教育機関でオフショア大學が講演することになりました。講演者は、当グログの管理人(幸地司・オフショア大學代表)です。

講演ではオフショア開発の最新動向を軽く紹介します。そこで、インターネットで公開されている情報を調べなおすことにしました。今日はその一部を紹介します。

情報源:IT人材白書2017(独立行政法人情報処理推進機構)

IPAから毎年発刊されるIT人材白書は、オフショア開発の最新動向を知る最良の資料です。2017年度版は今年4月に公開されました。

実は、IT人材白書で言及される「オフショア開発」関連情報は年々減少しています。2017年度版では「オフショア開発」に関する記載が9箇所、見つかりました。それらは以下の3分野に集約されます。

1. 外国籍IT人材の採用割合
2. IT人材不足改善の取り組みのうち、効果があったもの
3. 外国籍IT人材の採用の目的


IT人材白書は無料配布される公開情報なので、興味ある方はご一読ください。

■ 問いかけ

<問1>外国籍IT人材の採用割合が高い会社の特徴は何でしょうか。次の4つの選択肢から、IT人材白書2017が示唆する答えを1つ選びなさい。

・メーカーのソフトウェア子会社
・世の中の大きな変化の中にいると感じている会社
・地方都市でニアショア開発を多く受託している会社
・2次請け、3次請けが多いシステムインテグレーター


<問2>IT企業の人材不足改善の取り組みのうち、効果があった施策として「オフショア・ニアショア」と回答した会社の割合を予想しなさい。

5.4%
11.3%
18.9%
28.0%


<問3>外国籍IT人材の採用の目的を調べたところ、以下の4項目が上位を占めました。それらを支持率(回答割合)の高い順に並べ替えなさい。

・IT人材の多様化のため
・技術力が高い人材の確保
・IT人材の不足を補うため
・自社事業のグローバル化の対応のため


<問4>外国籍IT人材の採用の目的を調べたところ、「オフショア開発への対応等」が最大の目的だと回答した割合を予想しなさい。

6.8%
11.6%
24.3%
32.9%

*Hints: オフショア大學公式メールマガジンに詳細な補足説明が追記されています。

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春節休暇にあえて求人広告を出す会社

中国でひっそりとオフショア受託業務を営む知人から聞いた話より。


先週から中国では旧正月の長期休暇に入っています。

近年、日本のマスコミでも都会から地元に帰省する中国人でごった返す人民大移動を面白おかしく伝えるのが年中行事となっています。

中国沿岸部の大都市から数百キロメートルも離れた地方都市に進出したある対日オフショア受託企業では、春節休暇に入るちょっと前から日本語人材を募集する求人広告を仕掛けます。しかも毎年のように繰り返し募集します。

そもそも、この地域に日本語人材はほとんどいません。しかも集中的に広告を出す時期は春節休暇に入る少し前なので、都会から帰省する地元出身者の目にとまる機会もありません。


■ 問いかけ

<問1>なぜ、この会社では毎年のように春節休暇に入る少し前から日本語人材の求人広告を出すと思いますか。その目的と費用対効果を予想しなさい。

例:緊急募集ではなく知名度向上のためのPR活動が目的。求人としての費用対効果は極めて悪いが、マーケティングとして考えれば長期で元が取れる。

ヒント→ オフショア大學メールマガジンに掲載

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専門家の知識と実践のギャップ

最近聞いた専門家の話より。

中国には中国独特の人材育成のキモがあります。

ある中国ビジネスコンサルタントの大城さん(仮称)は、日本で多くの社内研修・中国赴任者支援を実績を上げてきました。ところが、いざ自分が上海に赴任することになり、現地で最高責任者を務めることになると、これまでの指導内容が中国人部下の指導にあまり役立たないことに気づきました。

日本では「中国専門家」で名が通る大城さんでしたが、恥ずかしながら、上海赴任当初は次のような失敗を犯してしまいました。

社内のキーパーソンを集めた幹部研修にて。

「まず、皆さんの問題を取り上げてみましょう」→反応◯◯◯◯に比嘉さんは驚く!

「では、この課題について自分で考えてみましょう」→反応◯◯◯◯に比嘉さんは再び驚く!

「一人ひとりがリーダーシップを発揮しましょう」→反応◯◯◯◯に比嘉さんは開いた口が塞がらない


出所:BBT(2016)、組織人事ライブ 622:中国現法現地化のための人材育成

■ 問いかけ

社内研修で最高責任者が投げかけた以下の問いかけに対して、現地の中国人幹部はどう反応したでしょうか。それぞれのケースを予想しなさい。

<問1>「まず、皆さんの問題を取り上げてみましょう」
<問2>「では、この課題について自分で考えてみましょう」
<問3>「一人ひとりがリーダーシップを発揮しましょう」

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経済は中低速なのに

先週、上海と江蘇省にあるいくつかのオフショア開発企業を訪問してきました。そこで、いくつかの新しい情報を入手し、いくつかの既存情報を更新しました。

・人件費の最新動向
・人材流動の最新動向
・転職先の選択肢増加
・不動産価格上昇が与える影響

■ 問いかけ

<問1>2015年から中国経済は中低速モードに切り替わっています。ではここ1年間、ソフトウェア技術者の賃金はどう推移しているでしょうか。
(a) ほぼ横ばい
(b) やや上昇
(c) 大幅上昇(3-4年前と同じ)

<問2>上海とその周辺地域(江蘇省と浙江省)で、ここ1年間のうちに最も不動産価格が上昇した地域はどこでしょうか。
(a) 上海
(b) 蘇州
(c) 無錫
(d) 南京
(e) 杭州

<問3>上海や周辺地域では、社会の発展に伴い技術者の転職先の選択先が増えています。2016年秋、ソフトウェア技術者の転職動向を分析しなさい。

<問4>上海と周辺地域の不動産価格上昇がオフショア企業に与える影響をいくつか挙げなさい。

■Hints:

<答1>(c)
<答2>(d)
<答3>セミナーにて詳細解説
<答4>セミナーにて詳細解説

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質問を丸投げするベトナム通訳

ベトナムオフショア開発は相変わらず盛況ですが、現場では日本語を話すリーダー人材が圧倒的に不足しています。

特に予算が限られる中小企業の小規模プロジェクトでは、優秀な日本語人材が配置されることは極めて稀ではないでしょうか。よって、通常は技術力を優先してチームを構成し、後から通訳を付けます。通訳は当然ながら非技術者です。

ある典型的な小規模ベトナムオフショア開発での事例を1つ紹介します。

日本側の窓口を務める河本氏は、ベトナム現地の通訳を介して日常のQ&A連絡をやり取りしています。ところが、文系出身の現地通訳は技術の深い領域には手が届きません。ときどき技術者のセリフを直訳したQ&Aを投げかけて、河本氏を混乱させました。

越南:(Web画面に表示する)種別データについてサンプルソースを確認してみると、SQLから該当するデータを取っているだそうです。そのSQLについて詳しく教えてもらいたいと言われました。

■ 問いかけ

<問1>あなたが日本側窓口を務める河本氏の立場なら、上記の依頼に対してどう回答しますか。

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固定かローテーションか

オフショア大學を訪れるお客様の多くは、業務知識や製品固有のドメイン知識が深く要求されるオフショア開発に挑戦しています。例えば、特定業種の基幹系システムやデバイスの都合が何より優先される組込ソフトウェア製品開発の海外委託です。

このような会社のオフショア開発では、天才的なプログラマよりもコツコツ働く凡人が重宝されます。普通の真面目な技術者こそが持続的改善を牽引することを組織のみんなが熟知しているからです。こうした環境で常に議論になるのが「どうすれば優秀な海外人材を永く確保できるか」「どうすれば海外オフショア現場にノウハウを蓄積できるか」です。

これらの問いかけに対して、実際の開発現場では、意外にも二つの矛盾する回答が存在します。

1. オフショア側メンバーをできるだけ固定
2. 適度にローテーションさせる


■ 問いかけ

<問1>発注企業にとって「オフショア側メンバー固定」のメリットは自明です。では、「オフショア側メンバーを適度に適度にローテーションさせる」ことのメリットは何でしょうか。

<問2>発注企業にとって「オフショア側メンバー固定」のリスクを挙げなさい。


問いかけのヒントはオフショア大學セミナーにて(2016年10月セミナー日程を確認する

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元技能実習生は採用しない方針のBPO企業

オフショア大學では、技能実習制度の話題を扱ったことがありません。稀に飲み会で盛り上がることもありますが、オフショア推進部門の戦略系スタッフも基本的には技能実習生に興味を示しません。

なぜなら、オフショア開発業界では技能実習制度に頼る機会がないからです。

一方で、BPOと呼ばれる海外アウトソーシング業では、ときどき「技能実習生が夜逃げした!」などの噂話が流れます。表向きは、オフショア開発やITアウトソーシングを謳いながら、裏では技能実習生の仲介斡旋を生業とする業者はたくさんあります。


■ 問いかけ

中国大陸の某田舎でオフショア開発とBPOを営むある独立系ベンダーで聞いた話より。

この会社では、日本向けBPOのために常時、日本語人材を募集しています。大陸沿岸部の大都市とは異なり、この会社のある田舎では日本語人材は希少価値の高い即戦力人材だとみなされています。

この会社では、技術人材と日本語人材の仕事をうまく分離することで、従業員の高い離職率にも対応しています。

この会社が人材を募集すると、元技能実習生の日本語人材がときどき応募してきます。このような応募者は、かつて語学学校で日本語を学び、日本の職場で3年程度働いた経験を持っています。

ところが、この会社では、かつて日本で業務経験のある元技能実習生はあまり歓迎されません。


<問1>設問の中国BPO企業では、かつて日本で業務経験のある元技能実習生はあまり歓迎されません。一体なぜでしょうか?


<問2>中国のある田舎に進出した日系オフショア現地法人では、かつて日本で働いた経験のある元技能実習生を採用して、ブリッジSEとして育成したいと考えています。なぜなら、この会社では、技術と日本語業務を切り分けることができるからです。元技能実習生を採用して、ブリッジSEとして育成するリスクを分析しなさい。


問いかけの答はオフショア大學講座で発表します。公式メルマガでもHintsを紹介しています。

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せっかく育てたベトナム側のSEがすぐに辞めてしまう

オフショア大學受講生との質疑応答より。
(Q. 受講生 A. オフショア大學講師)


Q.私はオフショアPMOのスタッフです。経営陣と現場の開発チームに挟まれて、中間管理職のようにきつい日々を送っています。当社は、かなり前から中国オフショア開発の実績があるものの、経営陣からは「本当に中国一辺倒でいいのか?」と疑問を投げかけられています。そこで、当社でも、遅ればせながら、ベトナム企業と取引をはじめました。
ところが、ベトナム側では、せっかく育てたSEがすぐに辞めてしまうリスクが早くも顕在化しています。経営陣からは「今さらベトナム企業を時間をかけて育てる気はない」と強い圧力をかけられます。よい対策についてご助言ください。


A.よい対策を生むには、まずはよい原因分析が欠かせません。そこで、せっかく育てたベトナム側のSEがすぐに辞めてしまう状況を可視化するために、具体的に要素分解してみるといいでしょう。

■ 問いかけ

<問1>オフショア開発プロジェクトで育てた現地の技術者がすぐに辞めるのは、ベトナム人気質なのでしょうか?

Yes
No
その他

結果を見る

締切:2015年10月09日18時00分
協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/


<問2>せっかく育てたベトナム側のSEがすぐに辞めてしまう状況を可視化しなさい。例えば、レベル2から3の木構造に要素分解するとよいでしょう。

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ベトナム最新文化事情:「お金持ち」考察

ベトナム人若者の心理状態を分析する興味深いデータが届いたので紹介します。

オフショア大學セミナー

●ベトナム人が「お金持ち」と聞いて思い浮かべること=車

「車」がベトナム人のお金持ちを象徴するキーワードです。一方、日本人が「お金持ち」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは「家」。特に、大きな家に住んでいることがお金持ちの証だと考えられます。


●女性が結婚相手に求める条件として「お金」はどれくらい重要か

日本とベトナムを比べた時、実は日本人女性の方が結婚相手の経済状況を重視する傾向があることがわかりました。

一方で、ベトナムには「お金持ちは幸せになれない」との考え方が存在します。日本にも清廉潔白や「宵越しの銭は持たない」の言葉があるように、必ずしもお金が幸せに直結しない発想には共感できます。大陸中国人には全く理解されないと思いますが。


<調査方法>
日越それぞれのソーシャルメディアから「お金持ち」について書かれた記事を抽出して単語ランキングを作成。上位にリストされる単語には、ネットをよく使う若者の心理や思考パターンが示唆されるとの前提で分析しました。

検索ワード:nguoi giau, nha giau, giau co, giau sang (越語)


<調査元>
Datasection Vietnam Co., Ltd.
http://datasection.com.vn/


■ 問いかけ

<問1>ベトナム人の金持ちが持つ車のランキングを予想しなさい。ただし、あくまでもソーシャルメディア上で「お金持ち」と一緒によく用いられる単語から類推した仮説です。

 Mercedes, Audi, BMW, LEXUS, VOLVO, Ferrari, Porsche ...他


<問2>ベトナム人女性が結婚相手に求める重要な条件を挙げなさい。当然ながら「お金持ち」はベスト3にランクインします。

高学歴
顔がいい
やさしい
高身長
趣味があう
健康である
粋である・いなせ
オシャレ
その他

結果を見る

締切:2015年09月18日18時00分
協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/


<問3>ベトナム人のお金持ちは、なぜ「お金持ち」なのでしょうか? 典型的な答えを予想しなさい。


<問4>この調査は、ベトナムオフショア開発推進にどう役立つでしょうか。


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ベトナムのQA人材が定着しない

オフショア大學受講生との質疑応答より。
(Q. 受講生 A. オフショア大學講師)


A.当社は、ベトナムに製品開発が主体のオフショア開発を出しています。そのため、現地での品質保証にはかなり力を注いでいます。現地では、少数のテストエンジニアを品質保証スタッフとして採用して、ホワイトボックステストを念入りに繰り返しています。ところが、現地のQA人材が定着せずに困っています。


Q.現地のソフトウェア技術者にとって、品質保証部門は負け組が追いやられる閑職だと認知されている恐れがあります。

質問者によると、ベトナム側の品質保証スタッフは、ホワイトボックスQAのためのテストプログラムを書いています。日本人の感覚だと、品質保証スタッフとはいえ厳密には「エンジニア」に相当します。

ところが、開発からQAに配置転換されるベトナム人技術者にとっては、キャリアの断絶につながる大問題です。会社への帰属意識が薄い多くのベトナム人技術者にとって、いつまでも「QA人材」として働かされるくらいなら、さっさと会社に見切りをつけて転職するのが良策なのではないでしょうか。


■ 問いかけ

<問1>「品質保証スタッフは負け組」との認識は、日本とベトナムの国民文化の違いが主な原因である。(Y/N)

Yes
No
その他

結果を見る

締切:2015年09月09日18時00分
協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/


<問2>「品質保証スタッフは負け組」との認識の強さは国毎に異なると仮定します。「ベトナム/中国/インド/日本」の四カ国を認識の強さ順で並べ替えなさい。

例:ベトナム>中国>インド>日本
 (ベトナムでは最も品質保証スタッフは嫌われる)


<問3>もし、上記のベトナム現地で、日本語学科出身のコミュニケーターを品質保証スタッフとして育成しようと試みたら、成功すると思いますか? 成功率を数値で示しなさい(0-100)。


<問4>上記事例のベトナムのQA人材が定着しない問題について、有効な対策を考案しなさい。

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